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1996年に発表された研究は、北海道江別市および近郊の動物病院を訪れた犬と猫の飼い主に問題行動に関するアンケートを取っています。少し古い研究ですが、日本においてどれぐらいの飼い主がどのような問題行動に悩まされているかを知るのに、良いきっかけになるのではないでしょうか?
どれぐらいの人が猫の問題行動に悩まされている?
研究に参加したのは、無作為に選ばれた100頭の猫であり、どの猫も問題行動が主訴で動物病院を訪れたわけではなく、その他の病気を理由に動物病院を訪れています。対象となったの猫の猫種としては、雑種が最も多く、81匹であり、その次に多かったのがペルシャで11匹でした。
アンケートに答えてもらうと、100頭の飼い主のうち、83名が何らかの問題行動があると回答するということがわかりました。そして、問題行動として多かったベスト5は以下のとおりです。
- 爪とぎ(34.9%)
- 異食行動(19.5%)
- 他の猫への攻撃行動(13.0%)
- 排泄問題行動(11.8%)
- 人への攻撃行動(10.7%)
まとめ
日本では、爪とぎや異食行動、他の猫への攻撃行動が問題行動として観察されることが多いということがわかりました。これらの結果は、ある程度は飼い主の問題行動の認識の程度にも影響を受けるものと思われます。ちなみに、問題行動が見られた猫に対して、飼い主がとった行動としては、罰を与えたというものが最も多く、56.6%を占めています。次に多かったのが何もしていないが35.0%でした。研究が行われたのが、昔ということもあり、問題行動の矯正に罰(弱化)を用いるのは仕方のなかったことかもしれませんが、現在では環境設定や正の強化などの人道的な矯正方法が用いられていることを願っています。
原著論文:内田圭子、山田弘司、中出哲也、大友勘十郎:犬および猫の問題行動, 日獣会誌, 49, 337~341(1996).
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