オーストラリアの研究チームは、猫と犬の飼い主に、リマインドメールを送ることにより、マイクロチップの情報更新が促進されるのかについて調べています。
マイクロチップの情報更新
マイクロチップのデータベースには、飼い主の氏名、フリガナ、住所、電話番号、その他の緊急連絡先、FAX番号、Eメールアドレスなどの飼い主情報のデータや、動物の名前、生年月、性別、動物種と猫種と毛色などの動物情報のデータが含まれています(日本獣医師会)。
上記の情報の中でも、特に飼い主情報に関しては、転居などで変わることが多いのも事実です。そのため、それらの変更がある場合には、速やかに変更の手続きを行う必要があります。もし、変更の手続きをしていない場合には、飼い猫が迷子になり、保護された際に、手間が余計にかかり、保護主の元に戻ってくるのに時間がかかります。
オーストラリアで行われた最新研究では、マイクロチップの装着を行っている猫や犬の飼い主にマイクロチップ情報更新に関するリマインドメールを送信することで、情報更新を促進することができるのかについて検証しています。
リマインドメールは情報更新を促進する
情報更新に関する解析には、41,545匹の猫と82,994匹の犬のデータが使用されており、この中には、飼い主のメールアドレスの登録がない猫や犬も存在しています(猫:12,541匹、犬:25,756匹)。
研究では、マイクロチップの登録が行われた日より、360日の段階でマイクロチップ情報の更新リマインドメールを送信し、その前後でのマイクロチップ情報の更新頻度について観察していきました。
その結果、リマインドメールの送信が行われた猫や犬では、リマインドメールが送信される前月と翌月との間で、更新頻度が2.04倍に増加するということがわかりました。一方で、メールアドレスの登録がなかった猫や犬では、前月と翌月の間で、1.25倍の変化しかありませんでした。
これらの結果は、リマインドメールがマイクロチップ情報の更新を促進することを示しています。
まとめ
これまでは、マイクロチップをいかに普及させるかについて、様々な試みが行われてきました。しかし、これからはマイクロチップの情報をいかに最新のものにするかという点についても同時に考えていかねばなりません。そして、その一つの手段として、メールを定期的に送るというのは効果的であるということが今回の研究で明らかになりました。
この研究では、オーストラリアでマイクロチップに登録されている情報(猫種や地域など)についても明らかにしています。ちなみに、猫では登録している猫のうち81%が混血猫でしたが、純血種を見てみてみると、1位がラグドール(6.20%)、2位がバーミーズ(1.91%)、3位がブリテッシュ・ショートヘア(1.55%)という結果でした。
この研究はオープンアクセスであり、誰でも無料で閲覧することができます。
原著論文:Goodwin K, Rand J, Morton J, Uthappa V, Walduck R. Email Reminders Increase the Frequency That Pet Owners Update Their Microchip Information. Animals (Basel). 2018, 8(2). pii: E20.
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