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【ニュース】シンバイオティクスは抗生物質による猫の胃腸障害を緩和できるのか

2017年8月28日

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【ニュース】シンバイオティクスは抗生物質による猫の胃腸障害を防止できるのか

私たち人間でも抗生物質を使用すると胃腸に不具合をきたすことがあります。これは猫でも同じであり、様々な抗生物質が猫の胃腸障害を誘発することが知られています。人間ではそういった抗生物質起因性胃腸障害を予防するために、抗生物質とともにプロバイオティクスなどの腸内細菌叢に有益なものを摂取することがあります。しかし、今のところ猫においてはその効果については十分な検証が行われていません。

 

そこで、アメリカ・テネシー大学の研究チームは健常な猫にクリンダマイシンと呼ばれる抗生物質とシンバイオティクスの投与を同時に行い、シンバイオティクスが抗生物質起因性胃腸障害に与える影響を探索しました。

 

目次

  • 1 クリンダマイシンとシンバイオティクス
  • 2 シンバイオティクスが嘔吐や食事摂取、便に与える影響
  • 3 まとめ

クリンダマイシンとシンバイオティクス

クリンダマイシンはブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、マイコプラズマ属の細菌などに効力を発揮する抗生物質であり、同研究チームが行った予備研究では、一定量のクリダマイシン(26-44mg/kg/d)を健常な猫に投与すると100%胃腸障害が起こることが分かっています。そのため、このクリダマイシンを研究では用いました。

 

胃腸障害を予防するためのに研究チームが猫に経口投与したのはシンバイオティクスであり、プロバイオティクスとプレバイオティクスが含まれているものになります。プロバイオティクスは腸内細菌叢に良い影響を与える微生物群のことを言いますが、プレバイオティクスとはそれらの微生物群の増殖などを手助けする物質のことを言います。つまり、シンバイオティクスはプロバイオティクスやプレバイオティクス単体の摂取を行うよりも、腸内細菌叢に良い影響を与えることができるということです。

 

研究ではクリンダマイシンを投与した1時間後にシンバイオティクスを経口投与し、その効果について検討しています。

 

シンバイオティクスが嘔吐や食事摂取、便に与える影響

対象となる健常な猫をクリンダマイシンとシンバイオティクスを投与する群とクリンダマイシンとプラセボ(偽薬)を投与する2群に分けました。投与は3週間行われ、3週間後に一度研究は終了し、6週間のウォッシュアウト期間(休息の期間だと考えてください)に入ります。そして、前回シンバイオティクスを投与された群はプラセボを投与され、前回プラセボを投与された群はシンバイオティクスを投与され、再度3週間投与を行います。研究チームは投与している間の猫の嘔吐の回数や食事摂取量、便の状態を評価しました。

 

嘔吐の回数

嘔吐に関してはシンバイオティクス投与の有無とは関係なく、時間とともにその回数が増加していくことが分かりました。また、シンバイオティクスを先に投与する方が嘔吐の回数が減少するということも分かりました。しかし、シンバイオティクスによる治療効果については観察されませんでした。

 

食事摂取量

食事摂取量に関しても、シンバイオティクス投与の有無とは関係なく時間とともに食事摂取量が減少していくことが分かりました。しかし、食事摂取量に関してはシンバイオティクスによる効果が観察され、シンバイオティクスを投与することで食事摂取量が増加するということが分かりました。

 

便の状態

便に関しても、シンバイオティクス投与の有無とは関係なく時間とともに下痢の度合いが増していくということが分かりました。そして、特にシンバイオティクス投与による改善効果は観察されませんでした。

 

まとめ

健常の猫において、クリンダマイシン(抗生物質)投与1時間後にシンバイオティクスを投与することで、食事摂取量が増加するため、抗生物質による胃腸障害の一部を緩和できるのかもしれません。しかし、残念ながらシンバイオティクスが嘔吐や下痢などの胃腸障害の症状を緩和することはありませんでした。

 

研究者らはシンバイオティクスを先に投与する方が嘔吐の回数が減少するということに着目し、シンバイオティクスの効果が6週間のウォッシュアウト期間を経ても効果があり、シンバイオティクスを事前に投与しておくことがクリンダマイシンによる胃腸障害の予防につながるかもしれないとしています。この研究結果からそこまで言うのは困難だと思いますが、今後の研究で証明されるかもしれません。

 

今回の研究はあくまでも健常の猫で行ったものであり、病気の猫で行うと結果が異なることが予想されます。また、猫における抗生物質とシンバイオティクスに関する研究についてはまだ研究の余地が多い分野でもあるため、シンバイオティクスの投与量などを今後調節してくことで、何かしらの効果が得られるのかもしれません。

 

今回紹介した研究はオープンアクセスであり、誰でも無料で読むことができます。気になる方は原著論文を参照してください(クリエイティブ・コモンズライセンス)。

 

原著論文

Stokes JE, Price JM, Whittemore JC. Randomized, Controlled, Crossover trial of Prevention of Clindamycin-Induced Gastrointestinal Signs Using a Synbiotic in Healthy Research Cats. Journal of Vetrinary Internal Medicine(2017). DOI: 10.1111/jvim.14795.

 

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