野球のメジャーリーグMLBにあまり興味がない方でもニュースサイトなどで野球場に乱入した猫がセントルイス・カージナルスという球団に幸運をもたらしたという微笑ましい記事を見たことがあると思います。しかし、現在その猫の譲渡先を巡って保護猫団体と球団側でちょっとした小競り合いが起こっています
Rally Catによる逆転劇
2017年8月9日にセントルイス・カージナルスの本拠地ブッシュ・スタジアムで行われた、カージナルス対カンザスシティ戦の6回裏に、話題の猫「Rally Cat」が球場に乱入してきました(TheStar)。そのゲームではカージナルスがカンザスシティを1点差で追うという展開でしたが、「Rally Cat」が乱入した直後にカージナルスに満塁ホームランが飛び出し、そのままカージナルスが勝利を収めました。そのため、この「Rally Cat」はカージナルスに幸運をもたらす猫として注目を集めました。カンザスシティ側からすると不運を呼ぶ猫ですけどね。
Rally Catの逃走劇
球場に乱入した「Rally Cat」は、球場スタッフによりフィールド外に連れて行かれましたが、その後Korie Harrisという女性が「私の猫である」という虚偽の主張を行い、「Rally Cat」を連れて帰りました(FoxCarolina)。しかし、連れて帰る途中で「Rally Cat」は逃げてしまいました。そして後日、球団側(カージナルス)は「Rally Cat」を探し出し、球団として世話を行いたいという旨の声明を発表しました(ChicagoTribune)。
一方、「Rally Cat」はSt. Louis Feral Cat Outreach(以下SLFCO)という非営利保護猫団体に保護されていることが判明しました(St.LouisPostDispatch)。以下が実際にSLFCOがツイートしたものです。
We did trap a kitten at @CitygardenSTL overnight. We will be trying to determine if it is #Rallycat. pic.twitter.com/o5Y5IIcYoU
— STLFCO (@stlfco) 2017年8月11日
Rally Catをめぐる小競り合い
後日、球団側は10日間の検疫後にSLFCOから球団側に引き渡されるということを発表し(ChicagoTribune)、多くの方は無事Rally Catがカージナルスに戻ってくると考えていました(10日間の検疫が行われているのは、「Rally Cat」がフィールド外に連れ出される際にカージナルスの球場スタッフを噛んでいたためです)。
しかし、SLFCOはFacebook上でそのような事実はなく、球団側との話し合いは今月末(2017年8月末)に初めて行われるという声明をカージナルス発表しました。また、SLFCOは声明の中で、「Rally Cat」のためになるような対応をするという意思表示をするとともに、カージナルス側のメディア戦術の批判を行っており、両者の間で小競り合いがある様子が伺えます。
地元メディアでは、猫保護団体のSLFCOかカージナルスどちらが「Rally Cat」を所有すべきかという投票までも行われており、メディアも両者の争いを少し煽っているような傾向があります。
まとめ
球団側はPRのために喉から手が出るほど「Rally Cat」を欲しいのでしょうが、少し先走りすぎました感じもあります。また、保護猫団体の意思を尊重せずに、そういった行動をとることから、あまり猫の福祉について考えていないことも理解できます。SLFCOは「Rally Cat」の社会化の有無などをしっかりと見極め、慎重な選択を行ってくれることを祈ります。企業や球団にしろ、イメージアップや集客のために何でもかんでも猫を利用しないでほしいと思うのは私だけでしょうか?
9月10日(日)は「Rally Cat感謝の日」という記念日になることが決定しており、特別なテーマチケットが販売されることが決定しています(スポンサーはピュリナPurinaです)。このチケットを購入すると「Rally Cat」のTシャツがもらえるとともに、そのチケットの収益の一部が保護猫団体に寄付されるそうです(MLB)。
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