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【論文】FeLVやFIVを検出するのに最も優れた検査キットは?

2017年2月12日

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アメリカに暮らす約300万匹以上の猫が、FeLV(Feline Leukemia Virus) :ネコ白血病ウイルスもしくはFIV (Feline Immunodeficiency Virus):ネコ免疫不全ウイルスに感染していると言われます。これらのウイルスは、骨髄抑制*やがん、慢性的な炎症、免疫不全、消耗症候群**などを引き起こします。

予防接種は発症の予防という観点から言えば非常に重要な役割を果たしますが、基本としてこれらのウイルスの蔓延を制御するためには感染した猫を同定し、他の猫に感染しないように隔離することが必要になります。

骨髄抑制*
血液には白血球、赤血球、血小板があり、骨の中心部分にある骨髄で造られます。 この骨髄に影響が及ぶことで、血液を造る機能が低下し、白血球、赤血球、血小板の数が減少する(特に減少しやすいのは白血球)ような状態のことを「骨髄抑制」と言います。

消耗症候群** 免疫不全ウイルスに感染し、それらが進行することで1ヵ月以上発熱や下痢が続いたり、意図しない10kg以上の体重減少が現れたものを言います。 

目次

  • 1 スクリーニングテスト
  • 2 4つのPOCSTキット
  • 3 感受性と特異性
  • 4 まとめ

スクリーニングテスト

そこで、感染した猫を同定するのに使われるのが、ポイント・オブ・ケア・スクリーニングテスト(POCST:Point-of-care screening tests)です。この検査は一般的に、病院の診察室、病棟や外来患者向け診療所など「患者の近いところ」で行われる検査のことを言います。

POCSTでは、患者がわざわざ検査室に移動したり、検体を検査に出したりする必要がなく、結果をすぐに医師が判断することで、すみやかな処置を行うことができます。このことから、診療の質の向上に大きく役立つとして近年が注目され、その使用も広がりを見せています。

今回の研究では、猫のFeLVとFIV の検査によく使用されている4つのPOCSTキットの検出力などの機能性を評価・比較し、より信頼性のおけるPOCSTキットを提案することを目的としました。

なお、この論文はJournal of Veterinary Internal Medicineに2017年2月3日付で発表された論文を基にしています。この論文は無料(Creative Commons license)で閲覧できるため、興味のある方は原著を読むことをお勧めします。

では、早速内容を見てみましょう。

 

4つのPOCSTキット

診断資料としてシェルターや臨床検査室、動物病院、猫の研究センターなどから提供された、サンプルを対象に4つのPOCSTキットを使用していきました。血液のサンプルはFeLV+が146個、FeLV−が154個、FIV+が94 個、そしてFIV−が97 個でした。

そしてこれらの検体を、アメリカでよく使われているメーカーのキットである次の4つを使用して検査を行いました。

  • SNAP® Combo FeLV Ag/FIV Ab Test
  • WITNESS® FeLV-FIV Test Kit
  • Anigen® Rapid FIV Ab/FeLV Ag Test Kit
  • VetScan® Feline FeLV/FIV Rapid Test

 

感受性と特異性

それぞれの感受性と特異性は次のような結果となりました。

感受性とは、ある病気にかかっている人にある検査をした時に『陽性(+)』となる割合を言います。対して特異性は、ある病気にかかっていない人にある検査をした時に『陰性(−)』となる割合を言います。

FeLV :ネコ白血病ウイルス

  • SNAP® :感受性100%、特異性100%
  • WITNESS®:感受性89.0%、特異性95.5%
  • Anigen® :感受性91.8%、特異性95.5%
  • VetScan® :感受性85.6%、特異性85.7%

 

FIV :ネコ免疫不全ウイルス

  • SNAP® :感受性97.9%、特異性99.0%
  • WITNESS®:感受性94.7%、特異性100%
  • Anigen® :感受性96.8%、特異性99.0%
  • VetScan® :感受性91.5%、特異性99.0%

 

まとめ

SNAP®のテストキットが、FeLVにおいては優れた感受性と特異性を見せました。感受性、特異性ともに100%であり、SNAP®のテストキットは信頼性が高いと言えるでしょう。しかしながら、FIVに関してはどのメーカーのキットでも差は認められませんでした。

本当はウイルスに感染しているのにも関わらず「陰性」と検査結果が出てしまうことも問題ですが、逆のウイルスに感染していないのにも関わらず「陽性」と検査結果がでしまうことも大きな問題です。

このウイルスは人で言えばAIDSの原因であるHIVウイルスであるわけですから、その感染がどんなに大変な事態かはお分かりになるかと思います。もし、間違って「陽性」という検査結果が出た場合、不要な隔離や最悪の場合安楽死を選択されるケースもあります。

このような重大な病気の検査に関しては、念のために検査を1回だけでなく2回しても良いかもしれませんね。

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原著論文

Performance of 4 Point-of-Care Screening Tests for Feline Leukemia Virus and Feline Immunodeficiency Virus. JK. Levy, P. Cynda Crawford, S.J Tucker. DOI: 10.1111/jvim.14648 

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