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【ニュース】日本の研究チームが猫の年齢における腸内細菌叢の変化を明らかに

2017年8月17日

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猫の善玉菌と悪玉菌 ニュース 最新の研究により猫の腸内における善玉菌と悪玉菌の一端が明らかに。

腸内細菌叢は健康などに影響を与えるとして、最近では多くのメディアなどで取り上げられ、「腸内フローラ」という言葉とともに注目されています。そして、それは猫界でも同様であり、猫の腸内細菌叢についてが数多く行われています。そして、今回日本の研究チームが行った最新研究により、猫の年齢における腸内細菌叢の変化の一端が明らかになりました。

 

目次

  • 1 猫に多い腸内細菌は?
  • 2 犬や人間とは少し異なる
  • 3 年齢を重ねると減少する腸内細菌
  • 4 年齢を重ねると増加する腸内細菌
  • 5 まとめ

猫に多い腸内細菌は?

東京大学や日本獣医生命科学大学、日清ペットフードの共同研究チームは次の5つのグループに猫をわけて、便に含まれる腸内細菌についての解析を行いました。すべての群において猫は10匹ずつ割り当てられています。

 

  • 離乳前:生後12~13日
  • 離乳直後:生後7~8週
  • 成年期:生後2~3歳
  • 高齢期:生後10~14歳
  • 老年期:生後16~19歳

 

犬や人間とは少し異なる

その結果、ラクトバチルス(犬で多い乳酸菌の仲間の菌)やビフィズス菌(人間に多い乳酸菌)などの細菌は猫の腸内では少ないことがわかりました。このことは、猫の腸内細菌が犬や人間とは異なることを示唆しています。

 

猫の善玉菌と悪玉菌 ニュース 最新の研究により猫の腸内における善玉菌と悪玉菌の一端が明らかに。
犬では乳酸菌の仲間である乳酸桿菌(この場合はラクトバシラス属の細菌のこと)が多い。

 

 

年齢を重ねると減少する腸内細菌

すべての年齢の猫においてバクテロイデス属の細菌が観察されることもわかりました。一方で、エンテロコッカス属(腸球菌)の細菌(乳酸菌)は離乳前の子猫では多いものの、年齢と共に減少し、高齢の猫では離乳前の猫と比較して有意に減少するということがわかりました。

 

そのため、研究チームはエンテロコッカス属(腸球菌)の細菌が猫の健康に関わるのではないかと推測しています。しかし、ここには落とし穴があると考えています。実は老年期(生後16~19歳)の猫10匹のうち8匹は一般家庭の猫が対象となっており、その他のグループの企業が管理している猫とは暮らしている環境や与えられている食事が異なっています。エンテロコッカス属に関しては統計学的に優位差があったのが離乳前と老年期の間のみであるため、やはり慎重に解釈を行う必要があると思います。

 

年齢を重ねると増加する腸内細菌

加齢とともに増加する腸内細菌も発見されました。その腸内細菌はクロストリジウム属の細菌であり、老年期の猫において、離乳前と比較して有意に増加するということがわかりました。しかし、高齢期の猫においては逆にその量や検出数などが減少していることから、加齢に関連しているかは少し疑問な部分もあります。

 

時事通信などではこのクロストリジウム属の細菌が悪玉菌として紹介されており、あたかも猫の腸内細菌叢に悪い影響を与えるかのように推測されていますが、本当のところは不明です(私としては善玉菌と悪玉菌という分類を行うこと自体に疑問があります)。少なくともこの研究結果だけでは全くわからないといえるでしょう。

 

2011年にマウスで行われた研究によるとクロストリジウム属の細菌が腸内の炎症やアレルギー反応などを抑制することを示しており、この研究を行った研究者らはクロストリジウム属の細菌が炎症性腸疾患やアレルギー疾患において有益であるというように結論付けています1)。そのため、もう少し慎重な解釈が必要だと思います。

 

猫の善玉菌と悪玉菌 ニュース 最新の研究により猫の腸内における善玉菌と悪玉菌の一端が明らかに。
加齢とともに猫の腸内細菌叢は変化する。

 

まとめ

この研究により確実に明らかになったことは猫の腸内にいる乳酸菌が人間や犬とは異なるということです。また、加齢とともに猫の腸内細菌叢が変化することも示唆されました。今後これらの腸内細菌叢の加齢の変化がどのようなことを意味するのかについて、さらなる研究が行われることを期待したいと思います。

 

今回紹介した論文はオープンアクセスであり、誰でも無料で閲覧することができるため、興味のある方は原著論文を参照するようにしてください(クリエイティブ・コモンズライセンス)。

 

原著論文

Masuoka H, Shimada K, Kiyosue-Yasuda T, Kiyosue M, Oishi Y, Kimura S, et al. (2017) Transition of the intestinal microbiota of cats with age. PLoS ONE 12(8): e0181739. https://doi.org/ 10.1371/journal.pone.0181739

 

参考文献

1) Atarashi K, Tanoue T, Shima T, Imaoka A, Kuwahara T, Momose Y, Cheng G, Yamasaki S, Saito T, Ohba Y, Taniguchi T, Takeda K, Hori S, Ivanov II, Umesaki Y, Itoh K, Honda K. Induction of colonic regulatory T cells by indigenous Clostridium species. Science. 2011 Jan 21;331(6015):337-41. doi: 10.1126/science.1198469.

 

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