また一つ、猫の爪切除術を禁止する都市が誕生しました。2017年11月13日デンバー市議会は正式に猫に対する爪切除術を禁止する法案を可決しました。アメリカでは、現在までにカリフォルニア州の一部の都市で爪切除術を禁止が行われていましたが、カリフォルニア州外で爪切除術が禁止されたのは初めてです(The Denver Post)。
デンバーにおける爪切除術禁止法令
2017年10月25日に初めて猫の爪切除術を禁止する法案CB17-0709が提出され、2017年11月6日に市議会にて初めて法案が読み上げられ、満場一致で可決されました。その後、2017年11月13日に最終案が市議会にて議論され、結果として満場一致で可決されました(Denver City Council)。これにより、デンバー市法のセクション8-141に『Declawing of cats prohibited(猫の爪切除術の禁止)』という項目が追加されることになりました。
爪切除術禁止法令に対する反対
当然ながら、何事にも意義を唱える人たちはいます。例えば、爪切除術を行ったことのある猫の飼い主は爪切除術による痛みは一時的であり、飼い猫はトイレを失敗することもなく、爪とぎでしっかりとマーキングを行えていると述べています(Ellen Harverl)。
また、コロラド獣医師会はこの法案が獣医療のプロや猫の飼い主が決定すべきデリケートな意思決定に干渉する恐れがあるとして反対しています(The Denver Post)。また、飼い主が爪とぎ行動により、その猫をペットの猫として飼養するかどうかを悩んだ際の選択肢として残しておくべきであるとも述べています(NYtimes)。
例外アリ
今回の爪切除術禁止法については例外が設けられており、すべての猫の爪切除術が禁止されているわけではありません。新しい市法には、治療として爪切除を行わなければならない場合や爪切除術をしても良いと認定された獣医師が麻酔を使用する場合には、爪切除術が認められることになります(Denver City Council(クリックすると法案のPDFがダウンロードされます))。
まとめ
デンバーにて爪切除術を禁止する法案が可決されました。ただし、条件付きであり、すべての爪切除術が禁止されるわけではありません。医療行為(治療)として爪切除術を認めるのは普通に理解できますが、認可された獣医師が爪切除術を行えるというのは少し訳が違うような気もします。
カナダの獣医師会やAAFPは爪切除術を強く非難する声明を発表しています。また、最新研究においても爪切除術が問題行動の発現に深く関連しているということが示されています。認可や麻酔の有無に関わらず、治療ではない爪切除術は禁止すべきではないでしょうか?
アメリカではその他にもニュージャージーやニューヨークなどでも同様の法案の議論が進められているようです(9News)。
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