イギリスの英国王立動物虐待防止協会RSPCAは、2017年7月30日のプレスリリースにて、猫の飼い主に対して安全性の低い猫の首輪の危険性について注意喚起を行っています。
猫の首輪の危険性
完全室内飼いであろうと、万が一のことが起こった時のために愛猫に首輪を着用することは猫が飼い主の元に無事に帰ってくる上で重要です。しかし、猫は狭いところに入ったり、茂みに隠れたり、高いところに登ったり、木登りをしたりと活動的であり、屋外に行き来できる猫においては猫同士の喧嘩などにも巻き込まれることがあります。さらに、首輪を気にしすぎる猫では首輪を外すために、様々な行動を行います。そして、そういった場合において猫の首輪は凶器になることがあります。
RSPCAによると猫の首輪により猫が傷を負うという事件が今年に入ってから、すでに100件以上も起きているとしています。かなり多くの猫が首輪により傷を負っているということがわかります。

RSPCAが発表した具体例
今回のプレスリリースにおいてRSPCAは実際に起こった事件を2つあげています。その両方の事件に共通したのは、首に装着していた首輪が片側の腋下(脇の下)部分にまで移動し、腋下を圧迫し、皮下組織が露出していたという部分です(実際の傷を確認したい方はこちらをご覧ください。痛々しい画像が苦手な方は気をつけて下さい)。また、どちらの首輪にも安全装置がなく、首輪にどれだけ力が加わっても首輪が外れることはない仕様になっていました(人間により、外すことだけが可能)。
このように腋下部分に首輪が入りこむのは、首輪が何かに引っかかった際に、不快な刺激を誘発している首輪の部分に前足などを引っ掛け、首輪を外そうとする行動が誘発されることで起こると考えられています。
幸い2匹はしっかりとした処置が行われたおかげにより回復しています。
安全な猫の首輪
では、危険な猫の首輪と安全な猫の首輪とはどのようなものなのでしょうか?RSPCAのプレスリリースによると、首輪に外力が加わった時にすぐに外れる構造を持たないバックル式やゴム式の猫用首輪(特にノミやダニなどの感染予防に使用される首輪など)は危険性が高いとしています。一方で、従来の認識通り、首輪に外力が加わった時にすぐに外れるような機構をもつ猫の首輪は安全であるとしています。
まとめ
今回のように、安全性の低い猫の首輪を使用することで、実際にどのようなことが猫に起こるのかを知れば、その危険性が自ずと分かるとおもいます。首輪の見た目にこだわった猫の首輪はたくさんあり、デザイン重視で商品の選択してしまいがちになりますが、安全性を重視した首輪を選択する方が良いでしょう。それは、たとえ完全室内飼いの猫であったとしても同じことです。また、猫の首輪を開発している企業も人間目線ではなく、猫の安全性を真っ先に考えた商品開発を行って欲しいとおもいます。
参照サイト
Warning over horrific collar injuriesーRSPCA
Warning over pet collars: Cat left with horror injuries after getting leg stuck in collar
The Surprising Dangers Of Cat Collars
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