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猫が倒し窓に挟まることで起こる麻痺とその予後の関係性とは

2017年12月20日

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オーストリア・ウィーンの研究チームは猫の倒し窓による外傷の特徴について調べた研究を発表しました。

 

目次

  • 1 猫が倒し窓に挟まる
  • 2 臨床上の特徴
  • 3 麻痺の重症度
  • 4 まとめ

猫が倒し窓に挟まる

倒し窓は窓の上の部分が外もしくは内側に開く窓になります。この倒し窓は猫にとってはたいへん危険であり、倒し窓から外に出ようとする猫たちの体の一部が窓の下部分のV字の隙間に挟まってしまうことで事故が起こります。挟まることの多い体部分は第十三肋骨(最後の肋骨)と骨盤の間、もしくは四肢単体になります。もし、そのような体部位が挟まると、それ以下の組織において血液供給が途絶える虚血状態になり、麻痺が起こってきます。最新研究ではこの倒し窓が原因で起こった外傷の特徴について調べています。

倒し窓の例(原著論文より)

臨床上の特徴

研究では2001年〜2012年に起こった倒し窓による外傷により病院に運ばれた猫71匹の診療データを分析していきました(両下肢が挟まれた猫のみが対象です)。その結果、倒し窓に引っかかる猫の52%は2歳未満の猫でした。また、多くの猫は低体温(38度未満と定義されています)であり、虚血が起こった四肢では表面体温が低下し、大腿動脈の脈が弱くなっている、もしくは触診できないという様子でした。下肢筋の触診を行った個体においては、筋緊張が高いものが多く(69%)、一方で、筋緊張が低下している個体もいました(25%)。

 

麻痺の重症度

第4腰髄〜第2仙髄に関わる反射に関しては多くの猫で減弱もしくは消失していました。71匹の猫の麻痺の重症度をScott’s classification schemeに基づいて評価していくと、44%の猫がグレード5であり、18%の猫がグレード4、18%の猫がグレード3、10%の猫がグレード2、10%の猫がグレード1でした。Scott’s classification schemeではグレード5が最も重症であり、両下肢が麻痺しているとともに、深部疼痛を感じないという状態です。

 

さらに解析を進めていくと、麻痺の重症度が生存率に深く関連してくることがわかりました。71匹のうち死亡したのは25匹であり、グレード5の猫にて最も死亡数が多く(55%の猫が死亡)、グレード1や2の猫においては死亡例はありませんでした。すなわち、麻痺の重症度が高い猫ほど死亡する可能性が高いということが示唆されました。また、死亡する猫の原因のうち多かったのが原因不明の急性呼吸窮迫であることが多く、飼い主により安楽死が選択されることも多いことがわかりました。

 

まとめ

今回の研究により猫における倒し窓による外傷の特徴の一部が明らかになりました。麻痺が重度であることが生存率に大きく影響するということや、猫が死亡する原因の多くが急性呼吸窮迫だということもわかりました。この呼吸困難は、虚血再灌流傷害によるものであると考察されています。ちなみに、麻痺の重症度がグレード5の猫においても、生存できた場合には麻痺の程度が回復するようです(退院時に86%の猫の麻痺の程度が改善していました)。

 

今回紹介した研究はオープンアクセスであり、誰でも無料で閲覧することができます。

原著論文:Gradner GM, Dogman-Rauberger L, Dupré G. ‘Bottom-hung window’ trauma in cats: neurological evaluation and outcome in 71 cats with bilateral hindlimb injury. Veterinary Record Open 2017;4:e000175. doi:10.1136/ vetreco-2016-000175

原著論文を読む!
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