
現在、生存している野生のアジアチーターは50匹にも満たないということを英・ガーディアン紙が報道しています(TheGurdian)。アジアチーターの絶滅は目前に迫っているのかもしれません。
アジアチーター
アジアチーターは、現在ではイランにしか生息しておらず、別名イランチーターIranian Cheetahとも呼ばれます(Wikipedia)。動物園にいるような一般的なアフリカチーターよりも小柄で、色が薄く、目の内側の部分から涙のように黒い線の模様がくっきりと入っているのが特長です(TheGurdian)。
1970年の時点で、アジアチーターの数は約200匹と少なく、1990年代終わりにおいては約50~100匹まで減少していました。もちろんIUCNの分類においては「絶滅寸前もしくは近絶滅種(Critically Endangered)」に該当しており、絶滅まであと一歩のところまで来ています。
アジアチーターの保護活動
当然ながら、アジアチーターを保護し、数を増加させる活動は、イラン政府主導で行われています。2001年からは、そのアジアチーター保全プロジェクトに対して、国連開発計画より多額の資金供給が行われるようになりました。また、2014年のFIFAワールドカップのイランチームのジャージにアジアチーターがプリントされ、保護活動についての周知が行われてきました。しかし、そういった活動の甲斐なく、徐々にアジアチーターの数は減少していき、現在ではついに43匹になってしまいました(Nature)。
そして、さらに追い討ちをかけるように、国連開発計画は2017年12月にアジアチーター保全プロジェクトに関する資金供給を打ち切るということを発表しました(TehranTimes)。この事態はアジアチーターにとってはかなりの打撃になることが予想されます。
これを受けて、有名科学誌Natureはイラン政府に諦めてはならないとエールを送るとともに、アジアチーターの絶滅を回避するには政府組織や非政府組織、一般市民などの協力が不可欠であると述べています(Nature)。
まとめ
現在、確認されている野生のアジアチーターは世界に43匹しかいないようです。そして、国連開発計画がチーター保全プロジェクトへの資金供給を行えなくなったことにより、アジアチーターはさらに厳しい状況に置かれることになります。これは特に国連開発計画が悪いというわけではありません。アジアチーターを守るためには、イランの人たちそして世界中の人たちの協力が必要不可欠だと思います。ただ、悔しいことに私たちがどのような形で協力できるのかは明確ではありません。せめてプロジェクトに募金などを行えればと思うのですが、現在のところ公式の募金サイトなどはないようです。
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