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なぜ猫の問題行動が起こってくるのか?

2018年5月3日

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なぜ猫の問題行動が起こってくるのか? 猫 情報サイト 猫の問題行動

猫の問題行動は飼い主の主観に基づくものであり、愛猫のどの行動が問題行動に当たるのかはまちまちです。では、なぜ問題行動と認識される行動が生まれてくるのでしょうか?ここでは、2018年にJFMSにてパブリッシュされたジョン・ブラッドショー博士(「猫的感覚」の著者)のレビューをもとに考えていきます。

猫的感覚──動物行動学が教えるネコの心理 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

目次

  • 1 猫の家畜化に関する不十分な理解
  • 2 感受期における不適切な社会化
  • 3 猫が見ている世界の認識不足
  • 4 猫の正常な行動に関する知識の欠如
  • 5 まとめ

猫の家畜化に関する不十分な理解

イエネコの家畜化が始まったのは新石器時代だと考えられています(詳しくは、「新石器時代に始まった猫の家畜化 〜アナトリアとエジプト〜」の記事を参照ください)。しかし、北米や西洋において猫をペットとして飼う人が本格的に増え始めるのは19世紀以降の話になります。そして、現在においても、純血種の猫以外は繁殖がコントロールされることはなく、生殖に関する行動はほとんど祖先のものと同じです。猫の世界では、純血種の猫はかなりのマイノリティなので、ほとんどの猫は生殖がコントロールされているわけではありません。家畜化において、繁殖の制御はとても重要だということを忘れてはなりません(家畜化~Wikipedia~)。

 

また、猫の特殊な栄養学的ニーズに関しても家畜化に大きな影響を与えているようです。実は猫にとって必要な栄養素が完全にわかったのは1970年代のことであり、それまでは猫たちは家で与えられる餌の他に、狩猟を行い不足している栄養素を補う必要がありました。そのため、猫の狩猟本能が今でも色濃く残っているのは仕方のないことなのです。

なぜ猫の問題行動が起こってくるのか? 猫 情報サイト 猫の問題行動
猫にとって縄張りはかなり重要である

このように猫の家畜化は犬の家畜化のように完璧なものではなく、猫は犬とは異なり人間との関係性よりも環境に大きく依存しています。そして、猫の行動は縄張りを重要視する祖先と劇的に違っているわけではありません。この点を理解していない飼い主は、自身の期待と実際の猫の行動に乖離が生じ、問題行動が生じやすくなることが予想されます。

 

感受期における不適切な社会化

猫にとって感受期にあたる生後2~9週(2~7週の場合もあり)において、人間やその他の猫たちと触れ合うことは、ペットの猫と飼養される上でとても重要なことです。もし、感受期において適切な社会化がなされなかった場合には人間やその他の猫に対して神経質や攻撃的になったり、環境の変化に対応する能力が減少するリスクが高まります。

 

猫を家族として迎え入れる際には、感受期にどのようなケアを行うのか、また行われたのかについてしっかりと考える必要があります。感受期が軽視された場合には、ペットの猫として飼養する際に問題行動が出やすくなることが考えられます。反対に感受期にしっかりとした社会化を行うことができれば、ペットの猫として環境に適応しやすくなります。

 

この部分に関しては、保護猫活動を行っている方や一時預かりを行っているボランティアの方などは十分に気をつけてほしいと思います。なぜなら、そうすることで、里親募集の増加につながる可能性があるからです。ペットに適している猫を育てることは、ペットショップに対抗できる一種の手立てにもなるかもしれません。

なぜ猫の問題行動が起こってくるのか? 猫 情報サイト 猫の問題行動
生後2~9週の感受期において適切な社会化が行われる必要がある

猫が見ている世界の認識不足

飼い主の多くは、猫が飼い主と同じ世界を見ていると思いがちですが、その世界は異なります。ブラッドショー博士によると以下の3つの点において、人間と猫との間では異なるとしています。

  1. 感覚器官から集められる情報
  2. 感覚情報が脳により統合され、フィルタリングされる方法
  3. 情動的な反応

 

感覚

例えば、猫は人間よりも高い周波数の音を聞くことができますが、視覚に関して言えば、色の情報よりも、明るさや動体の情報を処理するのに優れています。もっとも劇的に異なるのは嗅覚であり、特に鋤鼻器(ヤコブソン器官)におけるフェロモンにおける感覚には、私たち人間は全く理解することができません。

なぜ猫の問題行動が起こってくるのか? 猫 情報サイト 猫の問題行動
猫が見ているもの、聞いているもの、嗅いでいるものは私たち人間のものとは異なる

情動

情動に関しては、飼い主の多くは猫が罪悪感や悲しみなどを感じると考えています。中には猫は高慢であると考えている飼い主もいます。しかし、猫の脳の構造を考えると、猫は過去や未来のことをあまり考えず、今(現在)を生きることに特化しています。そのため、過去や未来に関するような情動が猫に存在することを仮定するのは少し困難なのが現状です。一方で、どの哺乳類においても辺縁系と呼ばれる脳領域はあることから原始的な情動である怒りや恐怖、不安などを感じるということが予想されています。さらに、愛着形成も行われるとも考えられています。

 

上記のように、猫が見ている世界と飼い主が見ている世界は大きく異なります。この点を理解せずに、猫を飼養している場合には問題行動が起こるリスクが高まってきます。例えば、猫にとって重要なニオイを蔑ろにしたり、猫が意地悪で何かを行っていると考え、猫を叱ったりする(正の弱化)ことで問題行動が増加するリスクが高まってきます。

 

猫の正常な行動に関する知識の欠如

当然ながら、猫の正常な行動を理解していない場合には、問題行動が出現するリスクが高まります。例えば、猫は好ましい場所で排泄したり、爪とぎを行います。しかし、一部の飼い主は、猫が場所やニオイ、猫砂の質などの信号を頼りにどこに排泄を行うのかを探しているということを理解しておらず、多くの飼い主は猫がどこに排泄すべきか、つまり飼い主が排泄してほしい場所を猫が理解していると考えていることがあります。また、爪とぎに関しても、猫にとっては爪とぎは正常な行動であるが、その行う場所が問題になることがあります。

なぜ猫の問題行動が起こってくるのか? 猫 情報サイト 猫の問題行動
猫の正常な行動とはどのようなものかを猫を飼養する前に知っておくことはとても重要である

まとめ

猫の問題行動の多くは、猫のことを理解していないことに基づいているようです。もし、飼い主がしっかりと猫のことを理解し、猫にとって適切な環境を整えていれば、頭を抱えるような問題行動までに発展することは少なくなるのかもしれません。最近では、猫の完全室内飼いや避妊・去勢手術が日本を含めた一部の先進国で推進されるようになってきています。これが猫の福祉にどのような影響を与えるのかはまだ不明な点が多いのが現状ですが、より一層、猫のことを理解し、適切なケアを提供することが必要であることは間違いありません。

 

最後に、猫の問題行動の多くは、あくまでも飼い主の主観であり、猫の主観は反映していないということには気をつけて下さい。飼い主は愛猫の行動が問題だと思った時だけ、動物病院や専門家に相談を行います。しかし、猫はその問題行動を表出する前に、何かしらのSOSを行動を通して出していることもあります。そのSOSにいち早く気づくことが、猫の福祉を向上する上でとても重要なことなのです。そして、それを実現するためにも猫のことを正しく理解することが必須になります。この点についてはブラッドショー博士も述べているように、犬とは異なり、まだまだ研究が追いついていない部分でもあります。今後ますます猫に関する研究が行われ、どんどん猫のことが明らかになれば良いなと、思うばかりです。

 

参考文献:Bradshaw J, Normal Feline Behavior … and why problem behaviors develop. Journal of Feline Medicine and Surgery(2018), 20, 411-421.

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