多くの猫はダンボールや小さめの箱の中に入ろうとしますが、現在のところその理由については不明です。しかし、多くの猫の専門家たちはいくつかの仮説を立てています。今回の記事では3つの仮説について紹介していきます。
猫は安心と安全を求めて箱に入る
多くの専門家たちがもっとも支持している理由が安心と安全を求めて箱に入るというものです。カリフォルニア州大学デーヴィス校のvan Haaften博士によると猫が捕食される動物であることが安心と安全を求める最大の理由であるとし、箱のような狭い囲われた場所に入ることで身を守ることができるとしています。
また、猫行動専門家のKreiger氏やASPCAのZawistowski博士によると、猫は隠れることで安心することができるため、箱に入るとしています。彼らは猫が捕食される動物だからということは明確には述べていませんが、とりあえず箱に入ることでストレスレベルを下がることがわかっているため、隠れることで安心を得ているのだろう考えています。
さらに、タフツ大学のDodman博士によると、猫が箱などの小さなスペースに入ることで、体が少し圧迫されることにより、エンドルフィンが分泌され安心感を感じることができると述べています。そして、その安心感を求めて猫は箱の中に入るというのです。
Cats Protectionの猫行動専門家のTrevorrow氏は、不安傾向の高い猫でも、自信のある猫でも安心を得るために箱の中に入ることがあるとしており、猫は性格に関係なく箱に入るようです。
猫は暖かさを求めて箱に入る
猫は箱に入ることで体温調節を行っているとも考えられています。これは猫が快適に感じる温度がかなり高いということに起因しており、体温を上昇させるために箱の中に入っていると考えられています(van Haaften博士、Kreiger氏、Wired)。
どれぐらいの温度が猫にとって適温なのかについては、「猫にとって快適な室温・気温は意外と高い」の記事を参照にしてください。
猫は探索するために箱に入る
猫は縄張り内にある新規の対象物を探索することが好きであるため、探索をしているうちに箱の中に入るという可能性もあると、van Haaften博士やBlue CrossのNeile氏は述べています。
まとめ
猫が箱に入る理由として、現在、最も有力なのは安心や安全を得るためであるというものです。上記に挙げた3つの理由以外にも、隠れて獲物を襲うためや猫の祖先がそうだったからなどの理由が挙げられていましたが、専門家の意見ではないためここでは除外しています。
猫の中には全く箱の中に入らないものもおり、箱の中に入る猫と特性がどう違うのかを調べていけば、猫が箱に入る理由の一因がわかってきそうな気がします。そんな単純なものではないのかもしれませんが。箱の中に入る理由について猫様にインタビューできたらなぁと思うばかりです。
最新の研究においてもやっぱり猫は箱などに隠れることが好きというということがわかっています。そのことを示した最新研究については「やはり猫は隠れるのが好き?」の記事を参照ください。
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