ベンガルやサバンナといったハイブリッドの猫種を交配しているキャッテリーなどのサイトを見ると、F1、F1A、A1S、A1P、SBTなどのアルファベットが並べられていることがあります。また、ベンガルを飼っている場合にはその血統書にSBTの文字が並んでいることと思います(TICAの血統書)。では、それらのアルファベットが意味することは何なのでしょうか?
F+数値
まず、最も簡単なものに「F+数値」があります。これは、ヤマネコとイエネコを交配させた時にその猫が何世代目なのかを表すものです。例えば、F1のベンガルであれば、ベンガルヤマネコとイエネコを交配させた際に誕生した1世代目の猫のことを指します。そして、F2であれば、そのF1のメス猫とイエネコを交配させた際に誕生した2世代目の猫のことを指します。このようにして、どんどんFの後の数値が増加していきます。
TICAの記載方法
国際的なキャットショー団体であるTICAはハイブリッドの猫種を血統登録する際に様々なコードを使い分けています。そして、キャットショーにはSBTというコードが使用されている猫しか参加することができない規定にもなっています。ほとんどの血統書には「SBT」という文字が記載されているとは思いますが、中には「A1P」などのアルファベットが並んでいることもあります。
最初のアルファベットはハイブリッド猫種のみに使用されるコードであり、親、祖父母、曽祖父母に異なる猫種がいるということを示すものになります。例えば、サバンナを例に挙げると、「A」の場合は親同士が異なる猫種であり、つまりサーバルとサバンナ以外の猫種をかけあわせであることを示します。そして、「B」の場合には祖父母、「C」の場合には曽祖父母の少なくともどちらか一方がサバンナ以外の猫種であることを示します。
続いて、アルファベットの横の数値は、「親」、「祖父母」、「曽祖父母」に少なくとも1匹は登録されていない不明な猫種がいるということを示しています。ハイブリッドの猫種においては、ヤマネコが何世代前にいたかということを示していると考えるといいと思います。「1」であれば「親」、2であれば「祖父母」、3であれば「曽祖父母」に不明な猫種がいたことを示します。

最後のアルファベットには「T」「V」「P」「N」「S」が存在しています。それぞれの意味は次のとおりです。
- T(Traditional):親と祖父母、曽祖父母が同じ猫種である
- V(Variant):親と祖父母、曽祖父母が交配プログラムに認定されている猫種グループである
- P(Permissble):交配プログラムに認定されている猫種もしくは猫種グループで交配がされている
- N(Non-permissble):交配プログラムに認定されていない猫種もしくは猫種グループで交配がされている
- S(Species):イエネコ以外のネコ科動物との交配がされている(3世代を過ぎると記載しない)
上記のことをまとめて考えると、例えば、ベンガルヤマネコとイエネコから誕生したベンガルでは親が異なる猫種であるために、最初は「A」が用いられます。続いて、親に登録されていない猫種がいるので「1」が選択され、最後にイエネコ以外のネコ科動物が交配されているので、「S」が選択されます。結果として、このベンガルはA1Sであるということができます。

SBTとは
では、SBTとはどういうことなのでしょうか?SBTのSBとはStud Book(血統台帳)の略であり、三世代の交配に使用された猫がすべての猫種が登録されている場合につきます。そして、最後の「T」は先ほど紹介した「T」のことであり、三世代が同じ猫種であることを示します。つまり、SBTのベンガルであれば、親と祖父母、曽祖父母が全て純血種のベンガルであるということです。この場合、ヤマネコの血はほとんど残っていません。よくF4(4世代)以降がSBTであるという記述をサイトなどでよくみますが、その所以がここにあるわけです。

最後のアルファベットについては、様々な組み合わせがあり、SBTの他にもSBVの猫などもいます。
F+数値+アルファベット
一番最初に「F+数値」の記載の仕方についてふれましたが、その延長線上に、「F+数値+アルファベット」があり、この表記法を用いる場合もあります。例えば、F1AやF2Bなどです。この最後につくアルファベットはTICAの記述方法の影響を受けています。つまり、「A」が親、「B」が祖父母、「C」が曽祖父母に異なる猫種がいることを示しています。F2Bのサバンナという記載を見た場合には、祖父母にサーバルを持ち、また祖父母にサバンナ以外の猫種を持つことがわかります。
まとめ
もしかすると説明が少しわかりにくかったかもしれませんが、私も理解するのに意外と苦しみました。多くのサイトでF4以降がSBTであるという記述を見かけますが、実際はそんな単純なものではなく、かなり複雑で奥が深いと感じました。もし、上記の説明が理解できない場合には下記参照サイトを読むようにしてください。そちらの方がわかりやすいと感じるかもしれません。
なお、ハイブリッド猫種を交配することは倫理的な問題が多く、全米猫獣医師協会AAFPなどではハイブリッド猫種の交配に反対する声明などが出されています。ハイブリッド猫種を飼いたい、もしくは交配したいと考えている方は、必ず「ハイブリッド猫種に関する問題」の記事を読むようにしてください。
参照サイト
TICA Registration rules(TICA公式)
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