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猫のクオリティ・オブ・ライフQOLについて考える

2017年7月11日

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猫のクオリティ・オブ・ライフQOLについて考える

「猫のQOL」という言葉を一度は聞いたことがあると思います。QOLはクオリティ・オブ・ライフの略であり、日本語では「人生の質」や「生活の質」と表現されます。猫を飼っている方や保護猫活動を行っている方、獣医師などは常に猫のQOLについて考える必要がありますが、ほとんどの方は「猫がより良い生活が送れるように努力すれば良い」と漠然と考えていることと思います。しかし、具体的に猫のQOLがどのようなもので、どのような要素が猫のQOLに影響を与えるのかについてはほとんど理解されていないように思います。

 

この記事では、そんな猫のQOLについて少し考ていきたいと思います。

 

 

目次

  • 1 QOLとは
  • 2 高いQOL
  • 3 QOLに影響を与える要素
  • 4 まとめ

QOLとは

QOLとは個々の動物の人生・生活の幅広い状態のことであり、その状態は個々の動物によって認識される主観的なものです1)。また、それらの状態に影響を与えるポジティブな経験やネガティブな経験の間のバランスを表したものでもあります。

 

このようにQOLは主観的なものであり、猫がどのように感じるかが重要になってきます。しかし、猫がどのように感じているのかを判断することは容易ではなく、客観的かつ定量的にQOLを評価する指標は未だに存在しません。そのため、愛猫のQOLの現状やQOLの向上度合いを判断することは意外と困難です。

 

では、そもそも「QOLが高い」とはどういうことなのでしょうか?

 

 

高いQOL

QOLが高いということを簡単に言い換えるとポジティブな経験がネガティブな経験を上回っているということです。ポジティブな経験として分かりやすいものとしては、前向きな感情、リラックス、満足感、遊び、満腹感などがあります。一方でネガティブな経験にはストレス、痛み、空腹、喉の渇き、恐怖、退屈などがあります。

 

ちなみに、基本的なQOLのスケールは以下を参照して下さい2)。

 

A Good Life ネガティブな経験よりもポジティブな経験の方がとても多い
A Life Worth Living ネガティブな経験よりもポジティブな経験の方が多い
Point of Balance ネガティブな経験とポジティブな経験が同じぐらい
A Life Worth Avoiding ポジティブな経験よりもネガティブな経験の方が多いが、介入すること(獣医療による治療や環境を整えること)ですぐに改善・回復できる
A Life Not Worth Living ポジティブな経験よりもネガティブな経験の方が多く、介入をしてもすぐに回復することはできず、従って福祉の点からいえば安楽死が最善である

 

では、次にどのような要素がQOLに影響を与えるのかについて解説してきます。

 

猫のクオリティ・オブ・ライフQOLについて考える
犬との交流も猫のQOLに影響を与える

 

QOLに影響を与える要素

身体的要素

病気などを患えば、その病気の症状により猫の行動に制限が起こることがあります。例えば、高齢の猫では関節炎などの痛みにより高い場所にジャンプできないなどが生じます。猫は本当は高い場所に行きたいのに行けないというのはフラストレーションになるため、ネガティブな経験になってしまいます。

 

社会的要素

他の猫や動物などの存在や交流などがQOLに影響を与えます。例えば、もし感受期(生後2~7週)において適切な社会化を受けていない猫であれば、他の猫の存在やその交流がストレスとなってしまい、ネガティブな経験となってしまいます。

 

人間との交流

人間との交流もQOLに影響を与えます。例えば、感受期において適切な社会化や馴化を受けていない猫であれば、飼い主の長時間に及ぶ交流がストレスとなり、ネガティブな経験となってしまいます。

 

猫のクオリティ・オブ・ライフQOLについて考える
人間との交流も猫のQOLに影響を与える

 

物理的環境

猫が必要とするリソースが置かれている場所やその量が猫のQOLに影響を与えます。例えば、多頭飼いなどの環境下において、となりの猫と近い場所でご飯を食べなければならない場合などにはストレスが加わり、ネガティブな経験となってしまいます。

 

ニーズ

個々の猫のニーズも猫のQOLに影響を与えます。例えば、今まで屋外にて飼われていた猫が急に屋内で飼われ始めた際に、猫が屋外に行きたいというニーズを満たすことができなくなってしまいます。こういった場合には、猫にフラストレーションが溜まってしまいます。

 

上記のことがQOLに影響を与えると要因になりますが、すべての要因において、とても重要なことがあります。それは”猫がどのように感じているか”です。なぜなら、QOLはあくまでも個々の猫がどのように感じているかを主観的に捉えたものであるからです。極端な話、猫の性格によっては飼い主のラフな交流に対してもあまりストレスを感じないものもいますし、逆に敏感にストレスを感じ、ネガティブな経験と感じるものもいます。もちろん、猫の感情はその時折によって異なり、常に一定ではありません。つまり、その時の精神状態によっても影響を受けるということです。

 

そのため、猫のQOLについて考える時には、その時折の猫の状態や状況から猫が感じている感情を読み取っていくことが重要になります。それを読み解くことができなければ、QOLを評価することができないため、猫のQOLを向上することは不可能です。

 

まとめ

猫のQOLは主観的なものであり、猫の精神的な状態が大きく影響します。例えば、精神的な状態が健全な猫においては、多少ストレスが加わっても、対応することができます。そして、その猫の精神状態には前述した5つの要素(身体的要素、社会的要素、物理的環境、ニーズ、人間との交流)が影響を与えます。つまり、精神状態と先ほどの5つの要素は相互に影響を与え合っているということになります。複雑です。

 

愛猫のQOLを高めようと思い、がむしゃらに様々な試みを行っても意味がありません。本当に猫のQOLを高めようと思うと、QOLに影響を与える各要素における猫の感情を読み解き、個々の猫に適した対策を考えていく必要があります。猫全般に必要なグッズや環境を整えるということは最低限の話であり、それだけでは猫のQOLは向上しないと思います。

 

また、猫のQOLに影響を与える各要素においてネガティブな経験を取り除くだけでなく、積極的にポジティブな経験をさせてあげることが何よりも大切だと思います。

 

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参考文献

1) Taylor KD, Mills DS. Is quality of life a useful concept for companion animals?  Animal Welfare(2007), 16(1), pp. 55-65(11).

2) Green TC, Mellor DJ. Extending ideas about animal welfare assessment to include ‘quality of life’ and related concepts. N Z Vet J( 2011). 59(6):263-71. doi: 10.1080/00480169.2011.610283.

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