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ウールサッキングを含む『猫の異食症』 〜原因と治療・対策〜

2017年10月18日

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ウールサッキングを含む疾患『猫の異食症』〜原因と治療・対策〜

猫が栄養的価値のないものを摂取することを異食症といいます。猫が繊維を噛んだり、吸ったりするウールサッキングについてご存知の方は多いと思いますが、このウールサッキングも異食症に含まれます1)。従来は異食症を一つの疾患として認知することが多かったようですが、現在では一つの症状として認知される傾向があり、様々な疾患などに併発するものであると考えられています2)。

 

この記事では猫の異食症の概要とその治療・対処法について紹介していきます。

 

 

目次

  • 1 異食症
  • 2 異食症の猫が食べやすいもの
  • 3 異食症の原因
  • 4 異食症と早期離乳
  • 5 異食症と年齢と遺伝
  • 6 異食症の治療
  • 7 まとめ

異食症

前述したように異食症は猫にとって栄養的価値のないものを摂取することを言います。しかし、健常な猫においても草を食したり、探索の一環として栄養的価値がないものを口にすることがあります3)。異食症でない猫の約60%が食べられないものを不定期的に食べることを飼い主が報告している研究もあります4)。異食症では対象物を飲み込むだけでなく、噛んだり、吸ったりするだけの場合もあります。そして、対象物を食べ過ぎた場合には、摂取したものが腸を塞いでしまい、深刻な事態に発展してしまいます。

 

異食症の猫が食べやすいもの

異食症の猫が食べやすいものトップ3は繊維製品、プラスティック製品(もしくはゴム製品)、ヒモになります1), 4)。繊維製品ではウールやコットン、合成繊維を口にする頻度が多いです1)。プラスティックやゴム製品には様々なものがありますが、輪ゴムや電源コード、赤ちゃんのおしゃぶりなどの例があります。また、中には段ボールやトイレットペーパーなどの紙製品、スポンジ、石鹸、耳栓、猫砂などを食べる猫もいます。

ウールサッキングを含む疾患『猫の異食症』〜原因と治療・対策〜
一部の猫は段ボールを食べてしまいます。

異食症の原因

異食症の根本的な原因については明らかではありません。しかし、現在までに次のような場合に異食症が起こると考えられています。

 

異食症は多くの疾患に併発します。例えば、甲状腺機能亢進症や鉛中毒、栄養不足、腸内寄生虫、貧血、中枢神経系障害、口腔疾患、代謝疾患などの症状の一つとして現れます1), 3)。そのため、異食症が観察された場合には動物病院などで何かしらの器質的な問題がないかについて精査することが第一段階となります。

 

その他の原因として強迫性障害があります。強迫性障害の猫では、常に特定の対象物を探し続け口にしようとします1)。強迫性障害に基づかない異食症では、特定の対象物があったとしても、毎回その対象物を口にすることはありません。

 

猫は不安を感じた時や探索・狩猟行動を行う機会が少ない場合にも異食症が起こるとされています3)。また、猫が退屈を感じた時や飼い主の注意を引く時、転嫁行動などで異食症が現れるとも考えられています1)。

ウールサッキングを含む疾患『猫の異食症』〜原因と治療・対策〜
一部の猫はトイレットペーパーも食べてしまいます。

異食症と早期離乳

現在まで多くの専門家がウールサッキングなどの異食症が早期離乳と関連していると考えてきました3)。また、完全室内飼いの猫において異食症が起こりやすいとも考えられていました3)。しかし、2016年に異食症の猫を飼養している飼い主を対象に行われた研究では早期離乳との関連性などは示唆されておらず、さらには、屋外にアクセスできる猫ほど異食症が起こりやすいということが示唆されています4)。

 

餌を自由に食べる環境にあることも重要であるということが示唆されています4)。どういうことかというと、健常の猫の方が異食症の猫と比較して、自由に餌を食べることができる環境で飼養されていることがわかっています。

 

さらに、異食症の猫では嘔吐しやすいことがわかっています4)。異食症により吐くことが多くなるのか、吐き気を抑えるために異食症になるのかについては定かではありません。

 

異食症と年齢と遺伝

異食症には遺伝や年齢の要素もある程度関連していると信じられています。異食症はオリエンタル系の猫種に多く観察されることが示唆されており、中でもシャム猫やバーミーズ、それらの猫種との掛け合わせで生まれた猫種において発症する頻度が高くなります5)。しかし、異食症は猫種に関係なく、雑種の猫でも普通に起こります1)。

 

4歳までの間に異食症が起こることが多く、生後2~8ヶ月から1歳〜2歳の間で異食症が起こる頻度が高いとされています1), 5)。

ウールサッキングを含む疾患『猫の異食症』〜原因と治療・対策〜
一部の猫は石鹸も食べてしまいます。

異食症の治療

まずは動物病院に行き、異食症の原因を調べてもらう必要があります1)~3)。上述したように、異食症は様々な疾患の症状として出現することがあるためです。そして、各疾患について獣医師から適切な治療を受ける必要があります。

 

強迫障害による異食症についても同様です。動物病院に行き、治療薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤や三環系抗うつ剤など)を処方してもらい、適切な方法で薬物を使用する必要があります3)。薬物の詳しい使用方法については獣医師と話し合ってください。

 

もし、上記以外の原因で異食症になっている場合には次のような対応を行います。

 

対象物に忌避剤を塗る

猫が口にするものに忌避剤を塗っていきます。忌避剤にはビターアップルを使用し、猫に対象物を口にすると不快な感覚が生じるということを学習させていきます1), 3)。もし、ビターアップルが効かない場合にはホットソースやチリペッパーなどを利用することがあります1), 3)。

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もっとも効果的なのは味覚の忌避剤にプラスしてニオイの忌避剤を対象物に塗ることです。そうすることで、ニオイと味覚を関連させて猫は学習するため、ニオイを嗅ぐだけで、食べなくなります。

 

この方法は一種の対症療法であり、猫がなぜ特定の対象物を食べるのかという原因を突き止めることはできません。しかし、特定の対象物を食べるということが定型化している場合などには十分に役立つ方法と言えます。

ウールサッキングを含む疾患『猫の異食症』〜原因と治療・対策〜
異食症と早期離乳は関連性がないのかもしれない。

環境を整える

もし、猫が退屈や不安を感じることで、異食症が誘発されている場合には、環境を整える必要があります。猫が退屈を感じないような環境づくり(高所や隠れ家を十分に用意したり、外を見たりできる環境を作るなど)を行っていきます。また、1日に複数回遊び、パズルフィーダーを使用し、猫草やキャットニップ、マタタビなどにふれる機会を与えたりしていきます1), 3), 6)。さらに、毎日同じ時間帯に帰宅したり、遊んだり、餌を与えることで猫が次に起こることを予測できるようにしておくことも重要です。

 

飼い主の注意を払うことを目的にしている猫においても、普段よりしっかりと猫と遊ぶとともに、パズルフィーダーなどを使用し、猫が夢中となるものを提供していきます6)。さすがに異物を食べている姿を無視することはできないため、その姿を見ると注意を払わざるえないのですが、極力その対象物を猫の手の届く範囲に置かないことが重要です6)。もし、対象物を除去することができない場合には、猫が対象物の近くまで来た時に、猫の気をそらすためにおもちゃなどを使用していきます。

 

ちなみに、餌を出しっ放しにするという対策もあるのですが、肥満などを考えると好ましくないため、その場合には餌の回数を増やしたり、パズルフィーダーを利用するようにしましょう。

 

クリッカートレーニング

クリッカートレーニングにより、「咥えているものを離す」「異なる場所に行く」などの行動を学習させて対応する方法もあります1)。しかし、一般の方には少しハードルが高く、これも対症療法の一種でしかありません。その他にも様々な行動学的手法で対応することもできます。その場合には、猫の行動専門家を訪問し、適切な方法を教えてもらった方が良いでしょう。

 

まとめ

猫の異食症については謎が深く、まだまだわからないことが多いのが現状です。若い猫に多く、普通であれば年齢を経るごとに自然と観察されなくなっていきます。しかし、一部の猫では疾患の症状として出現することもあるため、早めに動物病院に連れて行く方が良いでしょう。もし、疾患が原因ではない場合には、しっかりとその原因(不安?退屈?注意?)を突き止め、対応していくことが重要です。絶対に行っていはいけないのが猫を叱るというものであり1)~3)、猫の関係性が壊れるとともに、猫の不安傾向が高くなるため、場合によっては症状が悪化したり、別の問題行動が現れる可能性があります。この点については十分に気をつけてください。

 

よく問題行動を正すために、霧吹きを使用することがありますが、あまり効果はありません。その詳細については「猫に霧吹きは厳禁!」の記事を参照ください。

 

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参考文献

1) Little SE. August’s Consultation in Feline Internal Medicine, Volume7. Saunders, Missouri ; 1ed, 908-909. 2015.

2) Weiss E, Mohan-Gibbons H, Zawistowski S. Animal Behavior for Shelter Veterinarians and Staff, WILEY Blackwell. 74-75. 2015.

3) Little SE. The Cat:Clinical Medicine and Management. Saunders, Missouri, 214-215. 2012. 

4) Demontigny-Bédard I, Beauchamp G, Bélanger MC, Frank D. Characterization of pica and chewing behaviors in privately owned cats: a case-control study. J Feline Med Surg (2016), 18(8):652-7. doi: 10.1177/1098612X15591589.

5) Bradshaw JWS, Necille PF, Sawyer D. Factors affecting pica in the domestic cat. Applied Animal Behaviour Science(1997). 52:(3)(4), 373-379. https://doi.org/10.1016/S0168-1591(96)01136-7

6) Pam Johnson-Bennett. CatWise: America’s Favorite Cat Expert Answers Your Cat Behavior Questions. Penguin Books(2016).

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