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ハイブリッドの猫種に関する問題

2017年9月15日

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ハイブリッドの猫種に関する問題

日本で人気の高い猫種の一つにベンガルがいます。ベンガルはベンガルヤマネコとイエネコのハイブリッドの猫種であり、そのワイルドな見た目が多くの人の目を惹きつけています。ベンガルについては、1970年代〜1980年代に現在のベンガルの交配が行われるようになり(BengalCatWorld)、現在のベンガルにはヤマネコの血がほとんど入っていません(一部を除く)。そのため、ハイブリッドの猫種の猫種登録を一切行っていなかった世界的なキャットショー団体CFAですら、2016年にベンガルを猫種として登録するに至りました(CFA)。

 

しかし、現在ベンガルを除くハイブリッドの猫種に関しては大きな問題を抱えています。この記事ではハイブリッドの猫種を取り巻く問題について紹介していきます。

 

 

目次

  • 1 ハイブリッドの猫種
  • 2 ハイブリッドの猫種に関する問題
  • 3 まとめ

ハイブリッドの猫種

ハイブリッドの猫種はヤマネコとイエネコを交配させた猫種のことであり、多くの場合はヤマネコの見た目をしたイエネコをペットにしたいという理由から生み出されています。有名なハイブリッドの猫種には、ベンガルの他に、サバンナキャット(サーバルキャット×イエネコ)やチャウシー(ジャングルキャット×イエネコ)、サファリ(ジョフロイネコ×イエネコ)などがいます。

 

ハイブリッドの猫種の多くはヤマネコの血が残っている猫ほど高値がつく傾向があります。ヤマネコとイエネコを最初に交配させ、誕生した仔猫をF1(第1世代)とし、そのF1世代が次にイエネコと交配した時にはF2(第2世代)が生まれてきます。もちろん、世代を経るごとにヤマネコの血が薄まっていきます。F1ではヤマネコの血が50%ありますが、世代を経るごとにさらに半分ずつになっていくため、ヤマネコの血がどんどん薄れていきます。そのため、ベンガルを含め多くのハイブリッドの猫種では、F1~F3世代はそれ以降の世代と比較して高値で売買が行われます。ただし、オス猫に関しては第4世代以降にならなければ、生殖機能を持たないため、そこまで高値はつきません(BengalCatClub)。

 

ハイブリッドの猫種に関する問題
この写真のサーバルとイエネコを交配することでサバンナが誕生する

 

ハイブリッドの猫種に関する問題

では、ハイブリッドの猫の何が問題なのでしょうか?

 

交配における問題

交配の際には、イエネコにかなりのストレスが加わります。中には、ヤマネコに傷つけられるか殺されるイエネコもいるようです(AAFP, BigCatRescue)。もちろん、その後時間が経てばストレスは緩和するのだろうと思いますが(でなければ、生殖行動はできませんよね)、その過程でイエネコが感じるストレスは多大なものであることが予想されます。このストレスはヤマネコにも加わる事でしょう。

 

また、イエネコの染色体の数は38個ですが、ヤマネコの中には36個しか染色体を持っていないものもおり(ジョフロイネコなど)、交尾が成功したからといって、正常の仔猫が無事生まれるとは限りません。「では、染色体の数が一緒のヤマネコを交配すれば良いではないか」と考える人がいるかもしれませんが、その場合にも問題があります。

 

例えば、ベンガルヤマネコやサーバルキャットのように染色体が38個持っていた場合でもオス猫はF4〜F5世代以降にならない限りは生殖能力を持ちません(SavannahCatBreed.com)。これは、性染色体のうちY染色体の長さがイエネコとヤマネコで違うからではないかと考えられています(BengalCatClub)。このことから、たとえ染色体の数が一緒であっても遺伝的に正常な猫が生まれてこないことがわかります。遺伝的に正常でない猫をわざわざ生み出すことは倫理的かつ猫の福祉を考えた際に良いことでしょうか?

 

ハイブリッドの猫種に関する問題
チャウシーの親となるジョフロイネコは染色体が36個しか持たない。Photo by Greg Hume – Wikipedia

 

遺伝的疾患

ハイブリッドの猫種においては様々な遺伝的な疾患が起こることがあります。残念ながら多くのバイブリッドの猫種においては、歴史が浅いことからどのような病気に罹りやすいのかについては不明です。しかし、ベンガルにおいてはピルビン酸キナーゼ欠損症や進行性網膜萎縮、股関節形成不全、肥大型心筋症などの病気が起り易く(iCatCare)、サバンナキャットにおいてはピルビン酸キナーゼ欠損症が起こりやすいとされています(iCatCare)。それらの病気がヤマネコと交配することに起因しているかはエビデンスがないため不明ですが、少なからず影響は与えているのではないかと思われます。

 

狂犬病ウイルスワクチン

狂犬病ウイルスは猫にも感染するため、海外では猫においても予防接種を行うことがあります。しかし、安全性や有効性が確認されていないことから、ハイブリッドの猫種に認可されている狂犬病ウイルスワクチンがないのが現状です(AAFP, CDC)。ワクチン接種ができないということはどういうことを意味するかというと、もしその猫が人を噛んだりした場合には安楽死が推奨されるということになります(CDC, AAFP)。現在のところ日本では狂犬病は洗浄されていると考えられているため、猫に対する狂犬病のワクチン接種は行われていませんが、今後どうなるかはわかりません。

 

問題行動

この点についても科学的根拠が欠落している部分ではあります。しかし、ベンガルにおいては友好度合いが高いものの、他の猫種よりも攻撃性が高く、スプレー行動の頻度も多く、爪とぎへの頻度も多くなるということが知られています1)。また、John Bradshaw博士は多くのベンガルは野生的な被毛だけでなく、行動も野性的であると述べており、さらには、おとなしいペットを作るという観点からはベンガルヤマネコは適した候補者ではなかったとも述べています2)。

 

アメリカのミネソタ州にてネコ科動物を保護しているThe Wild Sanctuaryは、ベンガルやサバンナキャットが預けられることが多いため、もはやそれらの猫種は保護しないということを宣言しています(TheWildSanctuary)。そして、彼らによるとベンガルやサバンナキャットが預けられる理由として最も多いのが問題行動によるものだとしています。

 

ハイブリッドの猫種に関する問題
ベンガルはよく鳴き、運動量が多く、膝の上に乗ってくつろぐことは少ない。

 

しかし、一方で猫行動専門家のMarilyn Krieger氏が同僚らに行った調査によるとベンガルやサバンナよりも、その他の猫の方がスプレー行動や攻撃性が高かったとしています。さらに彼女はシェルターにて行った研究により、問題行動が多いという理由で預けられるベンガルの数はその他の猫種よりも少なかったと結論付けています(Catster)。

 

おそらく、どの世代のサバンナやベンガルを保護したり、研究対象にするかによって見方が異なってくるのではないかとおもいます。つまり、SBT(ほぼ完全にイエネコ)のベンガルやサバンナであればさほど問題ないのかもしれません。しかし、ハイブリッドの猫種を含めたネコ科動物を保護しているBig Cat Rescueの代表であるCarole Baskin氏はこのようなことを述べています。

 

F4の猫が安定して生まれるまでに、少なくとも約50匹の猫が生み出され、それらの猫は被毛のために殺されたり、問題行動が理由で安楽死させられることになる(OneGreenPlanet)。

 

まとめ

ハイブリッドの猫種における問題点について紹介してきました。現在のところ、上記の問題点において確固たる科学的根拠があるわけではありません。しかし、アメリカ猫獣医師協会AAFPや iCatCareなどの世界的な団体の多くがハイブリッドの猫種の交配に反対しています。そして、何よりもハイブリッドの猫種を保護している人たちが声を上げているという事実に目を向けなければならないのでしょうか?

 

世界的にもハイブリッドの猫種は問題視されており、海外を見ると様々な法的規制もなされています。オーストラリアやニュージーランドではF1~4までのハイブリッドの猫種の輸入を禁止しています。また、ノルウェーやスウェーデンにおいてもF1~F4までのハイブリッドの猫種の輸入が禁止されており、4ヶ月以上の検疫を通過する必要があります。アメリカではネブラスカ州、ハワイ州、ジョージア州などでは完璧にハイブリッドの猫種の交配が禁止されています(fgc.ca)。

 

現在のところベンガルに関してはイエネコの猫種として認められているため、特に問題視されているわけではありません。しかし、これまでに何らかの理由で犠牲になった猫のことを考えると生み出されるべきではなかったのかもしれません。皆さんはどう思われますか?

 

ハイブリッドの猫種のほかに、鼻ぺちゃ過ぎるペルシャやスコティッシュ・フォールドにも問題点があります。そのことについてもぜひ学んでください(ペルシャの問題点、スコティッシュ・フォールドの問題点)。

 

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参考文献

1) Hart B.J.,  Hart L.A. Your Ideal Cat: Insights into Breed and Gender Differences in Cat Behavior, 2013.

2) ジョン・ブラッドショー著:「猫的感覚 動物行動学が教えるネコの心理」,  早川書房, pp318-319, 2014年.

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