あなたの猫は室内飼育ですか?それとも室外飼育ですか?はたまた、室内外を自由に行き来できる半室内飼育でしょうか?
猫の飼養方法については昔から世界中で盛んな議論が行われています。ちなみに、今日の主流としては「完全室内飼い」です。では、なぜ「完全室内飼い」が進められているのでしょうか?
おそらく、この記事を読んでいる方でも、「室内飼いは可哀想」と思っている方も少なからずいるはずです。そんな方にも納得してもらえるような理由をあげていきます。
車の事故から守る
当然、屋外にいる以上事故に巻き込まれる可能性があります。屋外の生活に精通している野良猫やノネコでさえ事故に巻き込まれているのに、飼い猫が巻き込まれないわけがありません。一方、完全室内飼いをしている猫にはそんなリスクは皆無です。
毒から守る
屋外には危険な植物やゴミ、農薬付きの草などがたくさんあります。もし、猫がそれらを口にしてしまうと死に至ることもあります。また、冬場の道路に置いてある凍結防止剤にはエチレングリコールと呼ばれる化学物質が含まれており、食べると肝臓に障害をきたしてしまいます。このエチレングリコールは甘いため、意外と猫のみならず動物全般が食べてしまうので注意が必要です。
食事制限をしていたり、食いしん坊な猫にとっては屋外の物を口にする危険性がさらに高まるためより注意する必要があります。

感染症から守る
屋外での生活は病原微生物や寄生虫などに感染するリスクを高めます。猫のワクチン接種で予防できる感染症よりもはるかに多い感染症が屋外には存在しています。さらに、屋外にはその他の猫もいるため、縄張り争いに巻き込まれ、負傷した結果感染症に罹るというシナリオもあります。
また、いくらエサを十分にあげていても猫は本能的に狩りをします。そのため、ネズミや虫が持っている寄生虫や感染症に罹ることがあります。
縄張り争いから守る
屋外には避妊・去勢手術をされていない猫がたくさんいます。そのため、飼っている猫が縄張り争いに巻き込まれ、血まみれの喧嘩になることがあります。飼い猫に避妊・去勢手術をしていない場合にはさらにその確率が高まります。血まみれの喧嘩になると飼い猫は負傷し、感染症に罹るリスクがかなり高まります。
また、相手の猫を意識し始めると、自身の縄張りを守るために、家の扉や玄関、窓際にスプレー行動をするようになります。これは避妊・去勢手術をしている猫でも観察されるようになります。こうなると、もはや猫だけでなく飼い主にとってもストレスが溜まってきます。

捕食者から守る
猫は食物連鎖の頂点に君臨しているわけではありません。野良犬やノイヌ、フクロウ、キツネなどは猫を捕食します。そのため、猫を屋外に出すということは飼い猫が獲物になる可能性があるということです。ただ、最も怖いのは人間です。猫を捕まえて虐待する人は少なからず存在していますので、その被害に遭わないように飼い猫を守りましょう。
効果的に食事制限ができる
肥満猫などで食事制限をしている猫の場合、室外に出られる以上食事制限の意味がありません。必ず、室外で何かを食べています。さらに、その食べるものが問題です。前述したように、屋外にある食べ物のほとんどは猫にとっては毒、もしくは感染症の危険性があるものばかりです。

健康管理ができる
屋外に行ける猫は外でトイレをすることが多いため、毎日の尿や便の状態を観察することができません。尿や便の状態は健康のバロメーターでもあるため、その状態を把握できないということは猫の具合いが悪いことをいち早く気づくことができないということです。
近所付き合いがよくなる
世界中の人が猫のことを好きであれば問題はありません。しかし、そんなことはありませんし、猫のことを良く思っていない人もたくさんいます。そのため、飼い猫が近所の家の庭で悪さをしたりするとそのクレームが飼い主のところに来るわけです。近所付き合いをよくしたいのであれば、完全屋内飼いが無難です。
まとめ
猫を完全室内飼いにすると明らかに猫の寿命が伸びます(野良猫の平均寿命は約2~5年です)。飼い猫が不慮の事故で亡くなってしまってからでは遅いため、早めに室内飼育に切り替えることをお勧めします。
完全室内飼いでも、家の環境を整え、飼い主のライフスタイルを変えてあげれば、間違いなく猫はストレスなく過ごすことができます。もし、それが実現できない場合は飼い主の努力不足ということになります。
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