猫にドッグフードを与えることは悪い事?
なんだくだらないことを言うなよ!そんなの改めて考えることじゃないよ。
なんて思う人が多いでしょう。
しかし、意外なことに飼主が可愛い猫ちゃんにドッグフードを与えている家庭は、そう珍しくもないのです。こういった状況は犬と猫を一緒に飼っている家庭でよくみられます。
驚きませんか?
そういうわけで、ドッグフードとキャットフード、2つの違いを改めて伝えておきたいと思います。
犬と一緒に猫にドッグフードをあげているあなた!またはそんな知り合いがいるあなた!ぜひこの記事を読んで(教えてあげて)ください。
猫にとってドッグフードの何がいけいないの?
猫がホームセンターなどで売っている一般的なドッグフードを好んで食べることはそうないでしょうから、猫がドッグフードを食べることがどういうことが起きるかということを飼い主さんたちにはわかって頂きたいのです。
猫にとってはデメリットだらけ
みなさんご察しの通り、猫がドッグフードを食べることに関してはデメリットが多いです。毎回の食事がドッグフードなんてのはとんでもないことですが、たまにあげたりすることも止めてほしいのです。
猫がドッグフードを食べることをおすすめできない理由は、以下の通りです。
ビタミンA
ビタミンAはキャットフードには必ず配合されています。一方で、ドッグフードはビタミンAの代わりにβカロチンが含まれています(犬はβカロチンをビタミンAに変えることができるんです)。そのため、多くのドッグフードにはビタミンAがほとんど含まれていません。含まれていたとしても、猫が最適の健康状態を保つために必要とする量には到底届きません。
すなわち、猫がドックフードを食べ続けた場合、ビタミンAが慢性的に不足することになります。ビタミンAは猫の視覚にとって必須の栄養素であるため欠乏は深刻な問題です。
タウリン
あの有名なエナジードリンクでもお馴染みのタウリン(ムキムキのお兄さんが崖を登って1000mg配合!のCMが有名ですね。笑)。すべての猫が必要とするアミノ酸です。犬は、自身で合成することが可能です。そのため、ビタミン Aと同様にほとんどのドッグフードはタウリンが不足している場合が多いです。タウリンが不足すると、肥大心筋症など重度な心臓病にかかるリスクが上がります。
魚が悪いの?
豆知識として魚の肉にはこのアミノ酸がとても不足しているので、猫が魚のみの食事を取ると同様にタウリン不足が起こります。「魚を猫にあげることは本当は良くない」という噂を聞いたことがある方もいるかもしれないですが、そのもとはここから来ていると思われます。決して「魚」自体が悪いわけではなく、栄養バランスが大事なのです。
一般に売っているキャットフードにはタウリンが配合されているので、普通にキャットフードをあげていれば心配することは何もありません。
アラキドン酸(オメガ6脂肪酸)
これも猫は合成できませんが、犬は作ることのできる必須脂肪酸です。そのため、ドックフードはやはりこのアラキドン酸が不足しがちになります。アラキドン酸は細胞の構築や血液の凝集に関する制御を行う上で重要な物質です。この不飽和脂肪酸については以下の記事で詳しく扱っています。
タンパク質
タンパク質の含有量は、猫にドッグフードを与えない方が良い大きな理由の1つです。ドッグフードの中には高タンパク質をうたうものもありますが、肉食動物である猫が必要とするタンパク質の量にはほとんど足りません(ちなみに犬は肉食に近い雑食性と言われます)。
低タンパクの食事はすぐに猫の健康に害を与えるものではないかもしれませんが、それは元来猫の持つ食事スタイルではないので体に負担がかかることは確かです。反対に高タンパク質なキャットフードを犬に与えすぎると腎臓に負荷がかかるため、こちらも気を付けましょう。
まとめ
いかがでしたか? 一般的なペットである犬と猫って体の機構は似ているんじゃないの?と思っている方も多いと思うのですが、結構違うのです。そうでなかったら、キャットフード、ドッグフードなんてわざわざ分けて商品を売る必要がありませんからね。
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