筆者はいい匂いのするキャンドルが大好きで、WoodWickやYankee Cnadleなどをよく利用していました。ただ、猫を飼ってから、猫にとってキャンドルは安全なのか?という疑問を抱いていましたので調べてみました。
また、前回、アロマセラピーに使用されるエッセンシャルオイルは猫にとって危険という話をしましたが、同じように匂いのするキャンドルは安全なのでしょうか?
キャンドル
パラフィンキャンドル
まずキャンドルを手に取ってみて、その原料をみてください。おそらくほとんどのキャンドルにはパラフィンと書いてあるはずです。
キャンドルの多くは石油が原料であるパラフィンで作られており、このパラフィンは原油を精製する際に出てくる残りカスみたいなものです。キャンドルはこのパラフィンにダイオキシン類、アクロレイン、ステアリン酸などのあまりよろしくない化学物質を添加して作られています。
パラフィンには発がん性物質が含まれる
パラフィン由来のキャンドルを燃やすことは、ディーゼルの煙を吸っているのと同等と言われています1)。パラフィンキャンドルを燃やすと、そこから出てくる煙やすすには発がん性物質であるベンゼン、四塩化炭素、トリクロロエタン、トルエンが多くふくまれていることが知られており2)、部屋の空気を汚すことになります。また、当然ダイオキシンなどの化学物質も放出されるため環境にもよくありません。
さらに、匂いつきのパラフィンキャンドルはより一層危険なんです。なぜなら、匂いつきのパラフィンキャンドルの場合、匂いをつける天然100%のエッセンシャルオイル(アロマオイル)がパラフィンとは混ざりにくいために、匂い付けとして石油由来の香料を利用します。そうなると、なおさら環境にも悪く、かつ発がん性物質などが室内に放出されるわけです。まあ、エッセンシャルオイルも猫には有毒なんですがね。
キャンドルの芯にも注意
キャンドルの芯には金属のスズが幾分かの割合で配合されていることが多く、これが燃えると発がん性物質が部屋の中に充満します2)。
もちろん猫にとっても有害
これらのパラフィンやキャンドルの芯から出てくる発がん性物質などは人間にも有害であることから、当然我々よりも鼻が効き、体が小さい猫にとってはすぐに有害物質が体内を循環してしまうためさらに有害です。そして、猫は毛づくろいをするため、被毛についた匂い成分やすすなどを口から取り込んでしまいます。
パラフィンキャンドルの代替品
ここまで記事を読むと、キャンドル好きには悲しい事実ばかりです。猫を飼うとキャンドルとお別れしないといけないのかと思うと心が張り裂けんばかりの気持ちになります。でも、安心してください。パラフィンキャンドルの代替品として、蜜蝋キャンドルやココナッツキャンドル、ソイキャンドルがあります。これらは環境にも人体にも優しいキャンドルになります。これらのキャンドルには意外と知られていない利点がたくさんありましたのでまとめてみました。

メリット
- 発がん性物質や有害なすすなどを出さないので人体に優しい
- パラフィンキャンドルよりも50%以上長持ちする
- 環境に優しい
- 蜜蝋キャンドルに限っては陰イオンを放出するため、ホコリや有害な病原微生物などに陰イオンがくっつき空気清浄を行ってくれます
デメリット
- 高価である
- 匂いつきのキャンドルはエッセンシャルオイルを利用していることもあるので、猫にとって有毒である
注意点
匂いつきキャンドル
デメリットのところでも書きましたが、匂いつきの蜜蝋キャンドルやソイキャンドル、ココナッツキャンドルはエッセンシャルオイルを香りづけとして利用していることがあるので、気をつけましょう。ほのかに香りがする程度の微量であれば問題ないですが、大量に使用されている場合には猫にとって明らかに有害です。蜜蝋キャンドルなどは香りづけをしてなくともある程度甘い香りがします。
選び方
また、ソイキャンドルには遺伝子組み換えの大豆を利用しているところもあるそうで、気になる方は注意しましょう。ココナッツキャンドルはココナッツの香りが添加されたパラフィンキャンドルと間違えやすいので、原料をしっかりと確認してから購入して下さい。
使用時の注意点
匂いのついている蜜蝋キャンドルやココナッツキャンドル、ソイキャンドルを使用するときには十分な換気を行い、猫を別の部屋に移動させる方が無難です。匂いのついていないものは猫がいる部屋で使用しても問題ありませんが猫の手の届かないようにしてください。火事の原因になったり、大事な猫ちゃんのヒゲが焼けてしまったりすることがあるので、注意が必要です。
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参考文献
2) United States Environment Protection Agency;EPA. Candles and Incense as Potential Sources of Indoor Air Pollution: Market Analysis and Literature Review, 2001.
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