猫を飼っている皆さんは、猫ちゃんが危険な目に合わないように色んなことに気を配っていることと思います。例えば、除草剤やアルコール類、お菓子などは猫ちゃんが口にしないように気をつけていると思います。しかし、日常の生活の中には、この他にも気をつけてもらいたいものがまだまだあります。
今日は改めて、見落としがちな家の中にある猫に危険なものを紹介したいと思います。もし、これらによって猫の体調が悪くなったり、ケガをしたりした場合は、速やかに動物病院へと連れて行きましょう。
家庭用化学品
例えば、掃除に使う洗浄液や漂白剤などにはかなり多くの有害な化学物質が含まれています。したがって、猫が近づくことのできないように、しっかりと戸棚などにしまっておきましょう。
置いたままにしておくと、猫は興味津々で匂いを嗅いだり、舐めたりしてしまいます。人間ですから、うっかり片付け忘れる場合もあるかと思います。そう言った場合のことも考えて、洗剤の容器はしっかりと締めて、倒しても中身が出ないようにしておきましょう。
また、容器の周りについてしまった洗剤や床に残っている洗剤なども綺麗に拭き取る癖をつけておくことが大切です。
電気コード
電気コードによる感電や火傷は特に仔猫では気をつけなければなりません。というのも、仔猫は大人の猫と比べて、コードなどをよく噛む傾向があるからです。
仔猫が遊ぶ時は注意して見てあげるようにし、コードの露出部分をできるだけ少なくして近づかないような工夫をすると良いですね。対処方法としては、電気コードに100円均一で売っているようなカバーをしたり、猫が口にする苦い味のするスプレーなどを吹きかけるなどしておきましょう。
また、成猫が電気コードで遊んだり、電気コードを噛んだりする場合、退屈や運動不足により電気コードに魅力を感じてしまっている可能性もあります。その場合には猫とたくさん遊んだり、環境を整えてあげることによって、電気コードより魅力的なものを増やしてあげましょう。
観葉植物
ディフェンバキアやアロカシア、オリヅルランなどを含めた観葉植物は有害と言われます。これまでにも、こちらのサイトで猫に危険な植物や花を紹介してきました。あまり考えずに置いている方も多いかと思いますので、今一度部屋に置いてある植物や花などが危険なものではないか確認してみてくださいね。
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窓・バルコニー
窓やバルコニーから猫が誤って落ちないような工夫をしましょう。落下すればケガは避けられませんから、特にマンションなどの高層階に住んでいる方は気をつけてほしいものです。1階に住んでおられる方も、猫が外へ出て行って迷子になってしまわないように窓に限らず、外へと通じる出入り口には気をつけた方が良いでしょうね。
窓やバルコニーには金網や格子、柵のようなものを設置しておく安心です。
医薬品(人間用)
似たようなものだろうと言って、人間用に処方された薬を猫に与えては絶対にいけません。猫には獣医師か処方されたものだけを与えて下さいね。また、飼い主が与えなくても、小さな錠剤やカプセルの薬は転がっていれば猫は口に含みたくなります。そう言ったことがないように気をつけましょう。
例えば、イブプロフェンやパラセタモールなどの鎮痛剤は猫にとっては致死的なものになります。加えて、一見無害そうなビタミンやミネラルのサプリメントなども危険ですので、必ず手が届かないようにしておきましょう。
ASPCAによると、特にイブプロフェンを口にすることが多く報告されているとのことです。そのため、イブプロフェンが入っているような風邪薬などの保管には特に気を付けましょう。
猫用の処方薬
獣医師から処方された薬自体に問題があるわけではありません。猫用の薬の中には猫が服用しやすいように、味が良く作られているものもあります。したがって、置いておくと、猫が必要以上に薬を摂取してしまう場合があるのです。薬はもともと体には要らないものですので、必要以上の摂取は毒になります。薬をもらった際に、猫が好むものかなどを、獣医に確認しておきましょう。
また、猫用の処方薬は人間用の薬とは別々の場所に管理することが重要です。なぜなら、Central Ohio Poison Centerの調査報告によると、13歳〜19歳までの子供が間違えて猫用の薬を使用するということが比較的多いということがわかっているからです。
猫だけでなく子供にも配慮をした対応が必要です。
電池
もし、猫が電池を噛んだり、電池の中身を誤って舐めたり、口に入れたりすると、化学熱傷(酸、アルカリなどの化学薬品によるやけど)や鉱物中毒を引き起こす可能性があります。
特に、猫が電池を噛んだ上で飲み込んでしまった場合は一刻も早く病院へ連れて行きましょう。また、電池を丸ごと飲み込んでしまった場合は、窒息の危険性もありますので、やはり手の届かないところに置いておきましょう。電池交換などをするときは、猫のいない部屋で行うことをお勧めします。
特にボタン電池のような小さい電池には注意が必要です。
ビニール袋
ビニール袋で遊んでいる時に、いつの間にか体がすっぽり包まれて窒息や呼吸困難に陥ることが稀にあります。安全のために、なるべく置きっぱなしにしないほうが良いかもしれません。ビニール袋で遊ぶ時には、特に仔猫の場合は気をつけて見てあげましょう。
一部の猫はビニール袋のカシャカシャという音に惹かれ、興奮して遊ぶ場合があります。この際、興奮しすぎてビニール袋の持ち手の部分が猫の体に巻きついたりするため、さらに危険度が増します。また、ビニール袋を噛んで飲み込んでしまい、窒息してしまう危険性もあるので気を付けましょう。
電動シュレッダー
これは動物に限らず人の子供でも言えることですが、使わない時は電源コードを抜いておき、カバーなどをかけておきましょう。また、シュレッダーは独特な音が出ますから、猫ちゃんは少なからず興味を示すと思います。起動中に猫が近づいてきては危ないですから、猫のいない部屋での使用をお勧めします。
一酸化炭素
人間同様に、猫は一酸化炭素中毒に非常に弱く、それゆえに化石燃料ヒーターのメンテナンスはしっかりとしなければなりません。特に、猫は暖かいところが好きですから、ヒーターの近くによくいると思います。
ヒーターの付近には、部屋の中でも割と一酸化炭素の濃度が高くなっていることが予測されますので、定期的に換気をしましょう。これは猫に限らず、私たちにとっても重要です。
ただ、猫は体が小さい分私たちよりも早く影響を受けます。 昏睡や脱力などの症状が見られた場合は、すぐに新鮮な空気のある空間へと移動させ、速やかに病院へと連れて行ってください。今日では手軽に一酸化炭素警報機などを購入できますので、よくヒーターなどを使用するという方は利用しても良いかもしれません。
洗濯機とドラム式乾燥機
使用していない時は、扉を閉めておきましょう。猫が中に入って、中の構造に引っかかり出られなくなることがあるようです。意外と洗濯機の中に入る猫は多いため、必ず洗濯機を使用する際、もしくは洗濯機の蓋を閉じる際には、中に入っている服の下の部分に猫がいないかを確認しましょう。気づかずに洗濯してしまうと、猫の命に関わります。
トイレ
トイレの蓋は閉めておきましょう。猫が便器の中に落ちてしまったら大変ですからね。便器の中の水は少量でも、窒息する可能性があります。
よくトイレトレーニングといって、猫に人間と同じようにトイレを使用させるように訓練をする人がいます。実はこの行為は様々な面で危険であり、多くの猫行動専門家は推奨していません。そして、その理由の一つに猫が誤ってトイレに落ちてしまうというものがあります。この辺りについてはまた別の記事にしたいと思います。
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参考文献
参照サイト
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