IKEAなどに行くと、良い匂いのする花びらが入っているガラス容器があったりします。あの容器内に入っている乾燥した花びらがポプリです。ポプリには乾燥させた花びらなどに匂いをつけるドライポプリとアロマのようにボプリオイルを熱するリキッドポプリがあります。
以前に匂いつきのキャンドルやエッセンシャルオイルなどは猫には危険であるという記事を書きましたが、このポプリは猫には安全なのでしょうか?それとも危険なのでしょうか?
エッセンシャルオイルの有無
ドライポプリやリキッドポプリの香り付けにエッセンシャルオイルが使用されている場合があります。エッセンシャルオイルは猫が匂いを嗅ぐだけで、肝臓に悪影響を与えます。そのため、エッセンシャルオイルを使用しているポプリは猫には有害になります1)。
ドライポプリ
市販のドライポプリの多くにはエッセンシャルオイルが使用されていないことも多いです(必ず確認してください)。そのため、そこまで匂いについては問題はありません。しかし、猫がこのポプリを食べてしまうと問題です。匂いは猫の興味をそそるため、ポプリを探索します。その探索行動にて猫がポプリを食べてしまうことがあります。猫がポプリを吐き出すことができれば良いですが、吐き出せなかった場合には胃腸を傷つけてしまいます。
ドライポプリを使用する際には猫の手が届かないところに置きましょう。また、ドライポプリを作る時にはエッセンシャルオイルは絶対に使用しないようにして下さい。
リキッドポプリ
海外ではポプリウォーマーなどを利用して、キャンドルなどでポプリオイルを熱することで、香りを室内に充満させ、リキッドポプリを楽しむことが多いです。しかし、こちらはドライポプリよりも危険です。
リキッドポプリを使用していると、当然猫が探索を始め、ポプリオイルを手で触ったり、体を擦りつけたりします。この時点で化学的な炎症が起こります。また、猫が毛づくろいすると、それらのポプリオイルが猫の口や目に入り、とても危険な状態になります。その原因となる化学物質が陽イオン界面活性剤になります。
陽イオン界面活性剤
ポプリオイルには柔軟剤などでよく使用される陽イオン界面活性剤が含まれています。猫が陽イオン界面活性剤に触れると数時間で皮膚に炎症が起こり、皮膚に発赤や痛み、潰瘍などが認められるようになります2)。
猫が陽イオン界面活性剤を口にすると、数時間で口や舌、咽頭、食道、肺などの粘膜に炎症が起こります。神経系にも作用し、うつ状態を引き起こすことも知られています。このため、口内炎や胃潰瘍、唾液の過剰分泌、呼吸困難、うつなどが症状として観察されます2)。
また、毛づくろいの際に目に入ることが多く、その際には角膜に炎症が起こるため、目に激痛が走ります2)。
まとめ
ドライポプリは猫の届かないところで使用すれば問題ありません。リキッドポプリについては万が一のことを考えると猫を飼っている家庭での使用は避けた方が良いかもしれません。また、ポプリの種類にかかわらず、エッセンシャルオイルが使用されているポプリは匂いも有害ですので購入の際には注意しましょう。
参考文献
1) POISINDEX® editorial staff: Cationic detergents (Toxicologic Managements). POISINDEX® System, Vol. 100 (B.H. Rumack et al., eds.). MICROMEDEX, Englewood, Colo., expires 12/99.
2) Kore, A.M. et al.: Toxicology of household cleaning products and disinfectants. Vet. Clin. North Am. (Small Anim. Pract.) 20 (2): 525-537; 1990.
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