仕事などで家を空け、猫と離れることを寂しく思う飼い主の方は多いと思います。実は、猫の中にも飼い主と離れることに非常に不安を覚える猫ちゃんがいます。これは分離不安症と呼ばれ、猫だけでなく子供や犬などでもみられます。飼い猫の分離不安症はたいへんな問題です。一体何が、猫を一人でいることを不安にしているのでしょうか??考えられ得る理由を挙げていきます。
目次
1.飼い主と猫の生活リズムの変化
突然の飼い主の生活リズムの変化は猫にとってはかなりのストレスと言えます。猫は習慣の生き物と呼ばれ、一日のタイムスケジュールが前日のものと全く同じであることに安心を覚えます。そして、このタイムスケジュールは飼い主の生活リズムにより決められています。
そのため、例えば勤務時間の変更などで、普段よりも1時間起きるのが早くなった場合には、タイムスケジュールに変更が起こるため、猫は不安を感じてしまいます。
短期間のタイムスケジュールの変更などに関しては仕方ありませんが、長期間に及ぶタイムスケジュールの変更が予想される場合には徐々に生活リズムを移行する方が良いでしょう。猫を世話する人を徐々に変更するなどの対策をするのも良いかもしれません。
2.猫が飼い主のルーティーンを学習
ルーティーン
仕事へと出かけるときはいつも同じ段階を経て外出していませんか? 猫が飼い主のルーティーンを覚えてしまうと分離不安症が引き起こされる可能性があります。
出かけちゃう!
例えば、猫は飼い主がカギをもった時の音を覚えて、それが出かける合図であることを関連させて認識します。そうすると、カギを持つだけで落ち着きがなくなり、不安な様子を見せ始めます。こういった場合、朝のルーティーンにいくらか工夫を加えてみると良いでしょう。
対処法
例えばですが、朝起きた直後にカギを持ったり、日中や夜の全く関係のない時にカギを手に取ったりしてみて下さい。そうすると、カギ=飼い主がいなくなるという認識が薄まってきて、朝あなたが行く前の不安も少なくなってきます。
いつも同じルーティーンだと一緒にいる時間でさえもいなくなることを予期して不安になってしまいますので、猫がそわそわし始める行動などを振り返って考えて、上記のような工夫をしてみると良いでしょう。
毎日のルーティーンを変えることは猫だけでなく飼い主の認知症予防にもつながるため一石二鳥ですね。
3.猫のストレスホルモン
寂しい=ストレス
アドレナリン、コルチゾール、ノルエピネフリンといった様なストレスホルモンは猫の心身の状態に悪さをします。普段のストレスに加えて、飼い主が行ってしまうことにストレスを感じると、ストレスホルモンが多く分泌され、それが状況をより悪くしてしまうことがあります。
問題行動の引き金に
ストレスホルモンは胃腸の不調を引き起こし、普段しないような排泄の失敗につながることもあります。安心感を得ようと、家のいたるところにスプレー行動をしてしまう可能性が高まります。ストレスを和らげる人工フェロモン(フェリウェイ)などを利用すると猫が安心し、スプレー行動なども緩和される可能性があります。
4.猫が退屈を感じている
もしかすると、一人が嫌なのではなくて、一人でいる「退屈な時間」が嫌なのかもしれません。好奇心旺盛な猫にとって、退屈は天敵です。
退屈しない工夫
あなたが出かけた後、一人でいても退屈しないような工夫をしてあげると良いでしょう。例えば、外の様子が見られるようにカーテンをあけておくと、鳥の様子などが観察できて退屈しのぎになります(これを猫テレビと言います)。また、テレビなどでYoutubeなどにある猫のための動画を流したりすると良いでしょう。筆者の猫はテニスの試合(ボールが動き)が好きなので、それを流したりしています。
1人でも楽しい!
小さいおやつをリビングのどこかに隠して、それを日中狩りの様に探し回らせるというのも効果的です。また、エサが出てくるパズルフィーダーなども効果的です。これらの方法は、飼い主がいない間でも「エサがもらえる」という報酬があるため、一人になる時間もポジティブにとらえることが出来るようになります。
もし、飼っている猫の社会性が高ければ、猫をもう1匹増やすのも良いかもしれません。
5.猫が病気に罹っている
精神疾患の可能性
人間と同じ様に、猫もうつ病や不安障害を発症する可能性はあります。しかし、人と同じ様になかなか完治は難しいことも事実です。別れるときの不安やそれに付随する行動の障害があまりにもひどい場合には、獣医師に診てもらう方が良いかもしれません。
病院選び
ただし、猫の精神状態を見極められる獣医師はそう多くはないので、よく調べてから病院は選ぶ必要があります。うつ病などの診断が出れば、抗不安薬などの薬が処方されると思います。
6.飼い主の不安が猫に伝わっている
答えはシンプルで、あなた自身が原因かもしれません。猫や犬は飼い主のエネルギーをちょっとした行動などから感じ取っています。
飼い主の心情
例えば、飼い主が、可愛い猫を一人にしておくことを心配するあまり、家を出る際に少々大げさな態度に出してしまっているかもしれません。もしくは、大事な会議などがあるために、精神的に緊張していたり、不安になっていたり、イライラしている様子が行動に出ているかもしれません。
大丈夫かなぁ…
猫は敏感に飼い主の心情を読み取りますので、飼い主の感情が不安定だとそれまでなんとも思っていなかったのに、猫も不安定になってしまいます。ですから、出かける際には、気持ちを落ち着かせ、普段通りにするのが理想的です。
何事もないように
また、外出する際に、猫を長時間なでたり、話しかけたりはするのは避けましょう。あたかも、トイレや歯磨きに行くかのような感じで、家を出ましょう。そうすれば、猫の方も余計な心配や不安を覚えずにすみ、ずいぶんと落ち着くことができます。
まとめ
本当に愛猫が分離不安症なのかを見分けることは難しいのも事実です。もしかすると、飼い主が分離不安症と思っていても、病気やその他のストレスなどが原因で行動の変化が出ている可能性もあります。そのため、分離不安症かどうかわからない場合には、必ず獣医師に相談するようにしましょう。もし、病気などが原因でないことがわかれば、分離不安症を疑っても良いかもしれません。
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