前回の記事では、パズルフィーダーの重要性について紹介しました。飼い主さんの中には、すでにパズルフィーダーの重要性を認識しており、挑戦した方もいるのではないでしょうか?
しかし、よくあるのはパズルフィーダーを与えても猫が使ってくれないということです。では、どのようにしてパズルフィーダーを猫に与えれば良いのでしょうか?
今回の記事では初心者の方、もしくは過去にパズルフィーダーを使って失敗した方のために、適切なパズルフィーダーの使い方を紹介していきます。
パズルフィーダーの種類
まずは、パズルフィーダーの種類について考えていきましょう。パズルフィーダーには大きく分けて2種類あります。
静的なパズルフィーダー
静的なパズルフィーダーとは、全くもって動かないタイプのパズルフィーダーです。つまり、猫が中にある餌を手や口を使って取り出す時に、土台部分が動かず安定しているものです。そのため、猫は手や口のみを使用して餌をパズルフィーダーの中から頑張って出さないといけません。
動的なパズルフィーダー
動的なパズルフィーダーは動くタイプのパズルフィーダーになります。つまり、猫が中にある餌を手や口で取り出そうとすると、パズルフィーダーが動き、パズルフィーダーにある穴などから餌が出てくるというものです。
猫にあったパズルフィーダーを探す
では、どちらのパズルフィーダーを選ぶべきなのでしょうか? 本来であればどちらのパズルフィーダーでも猫は使用することができます。しかし、猫に初めてパズルフィーダーを与える際には、猫が最も簡単に餌を手に入れられる設定を選ばないといけません。そうすることで猫のやる気を引き出していきます。
逆に設定が難しすぎると、餌をとれないことに対して猫がストレスを感じてしまうからです。そして、それを見た飼い主もストレスを感じることがあります。
では、どのようにしてパズルフィーダーの種類を選べば良いのでしょうか? その際に鍵となるのが餌の種類と猫の行動になります。
餌により見極める
まずは、飼い猫が大好きな餌、もしくは飼い主が与えたい餌からパズルフィーダーの種類を見極めていきましょう。これはとても簡単です。
- ウェット・キャットフードの場合:静的なパズルフィーダー
- ドライ・キャットフードの場合:どちらの種類のパズルフィーダーでも使用可
行動から見極める
飼い猫がドライフードを好きな場合には行動から見極めましょう。飼い猫が遊んでいる時や隙間などに挟まっている餌を取ろうとする時に手を頻繁に使うか、それとも口や鼻を頻繁に使うかということです。判定内容は以下の通りです。
- 手を頻繁に使用する場合:どちらの種類のパズルフィーダーでも使用可
- 口や鼻を使用する場合:動的なパズルフィーダー
もし、イマイチわからない場合には冷凍庫の中にある「アイストレー(氷を作る容器:製氷皿)」のトレー内に餌を置いて、猫に与えてみましょう。その際、飼い猫が手を使おうとするか、それとも口を直接近づけようとするかを観察してみて下さい。ちなみにこれも立派な静的なパズルフィーダーです。手を使わない場合には動的なパズルフィーダーの方が良いかもしれません。
続いて、パズルフィーダーの適切な使い方について見ていきましょう。
パズルフィーダーの紹介の仕方
空腹の時に
猫に初めてパズルフィーダーを与える際には、猫のお腹が空いている時がベストです。もし、餌を1日中出しっぱなしにしているのであれば、これがいい機会ですので餌の出しっぱなしは止めましょう。また、パズルフィーダーを与えるからといって餌を全く与えないようにするのは危険です。特に肥満の猫などでは肝臓に負担がかかり、危険な状態になってしまう可能性があるからです。
そのため、猫に初めてパズルフィーダーを使用する際にはパズルフィーダーで餌をあげるだけでなく、他の時間にはきちんと餌をあげるようにしましょう。最終的には普段の餌も全てパズルフィーダーで与えるのが好ましいのですが、最初のうちはパズルフィーダーで与える餌はあくまでも「おやつ」という意識を持っておいてください。
魅力的な餌を
初めてのパズルフィーダーの場合、パズルフィーダーの中に入れる餌は猫にとって魅力的なものの方が良いため、普段与えている餌よりも好物のおやつなどを入れておくとさらにモチベーションが上がります。何度も言いますが、最終目標は普段の餌をパズルフィーダーで与えることです。
難易度は簡単に
まず、穴の大きさを調節できるようなパズルフィーダーであれば、最も大きい穴にしておきましょう。そして、パズルフィーダーには1/2以上もしくは3/4以上餌を入れておき、簡単に餌が取れるように設定しておきます。
さらに、駄目押しでパズルフィーダーの周りに餌を置いたり、粉砕した餌の粉などを付けておき、猫にそこに餌があることを知らせてあげましょう。この方法は動的なパズルフィーダーの際にはかなり有用です。
なぜなら、猫がパズルフィーダーの周りやパズルフィーダーについている餌を食べようとした際に動的なパズルフィーダーに体が当たることで、パズルフィーダーが動き、中から餌が出てくるからです。何回かこれが繰り返されると猫はすぐにパズルフィーダーの原理を学習します。
もし、それでも中々学習しない場合には動的なパズルフィーダーであれば、飼い主がパズルフィーダーを少し動かしてあげ、餌が出てくるということを学習させてあげましょう。その他にもクリッカートレーニングで学習させるという方法もあるのですが、少し難しいのでここでは解説しません。
パズルフィーダーに見向きもしない場合
最後に、パズルフィーダーをどうしても使わない場合について話をしておきます。
神経質な猫の場合、自分のお皿でしか餌を食べない場合があります。また、餌のお皿が変わる(環境の変化)ことをストレスと感じる猫もいます。この場合、普段の餌のお皿をパズルフィーダーの横に置き、猫に選択肢を与えたり、普段使用しているお皿の上にパズルフィーダーを載せて餌を与えるということが必要になってきます。
この際、普段使用している餌のお皿のサイズが小さい場合には静的なパズルフィーダーを与えるということができなくなります。つまり、お皿のサイズよりも小さい動的なパズルフィーダーを使用することになります。そして、さらに言うと餌をパズルフィーダーで与えることも重要です。
例えば、エッグササイザー(下の図参照)のような動的パズルフィーダーを使用する際には、上の蓋の部分を取っ払い、下の部分だけに餌を入れ、お皿の上に置いて餌を与えます。こうすることで、パズルフィーダーと餌を結びつけていき、パズルフィーダーでも餌を食べられるようにしていきます。
まとめ
初心者の方が猫にパズルフィーダーを与える上で重要な点について解説してきました。おそらく、この記事の通りに行っても、上手くいかないこともあると思います。しかし、それは猫の頭の問題ではありません。飼い主が適切な紹介を行えば、全ての猫はパズルフィーダーを使用することができます。これは間違いありません。
よくあるのは、猫は間違いなくパズルフィーダーについて少しずつ学習しているのに、飼い主がその変化に気づかないというパターンです。そうなると飼い主の方が諦めてしまうパターンになってしまいます。そのため、飼い猫が少しずつ成長する姿を辛抱強く見守ってあげることが重要です。
それでもなお、飼い猫がパズルフィーダーを使用できない場合には、このサイトのお問い合わせページからご連絡頂ければ、お力にならせて頂きます。
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