猫のストレスを考えるとペットホテルよりもペットシッターを雇う方が猫にとってはストレスが少ないといえます。しかし、それは適切な猫ペットシッターにお願いをした時であり、質の悪いペットシッターの場合にはペットホテルの方がマシになります。では、どのようにして質の良いペットシッターを選べば良いのでしょうか?
前回の記事では猫のペットホテルの選び方について解説しましたが、今回の記事では猫のペットシッターの選び方について解説していきます。
目次
猫のペットシッターを選ぶ際のポイント
ペットシッターを選ぶ際には価格や地域の他にも以下のポイントをチェックしていきましょう。
- 資格・経験
- 業務体制
- 訪問回数
- ペットシッターが世話をしている動物
- サービス
- 緊急時の対応
- 保証・保険の有無
では、各項目について具体的に説明してきます。
資格・経験
当然ですが、猫の扱いに慣れているペットシッターを選ぶようにしましょう。その一つの目安となるのがペットシッターが持っている資格や経験年数になります。猫関係の資格を何か持っていることが望ましいですが、日本国内において猫関係の価値のある資格は皆無であるため、なかなか難しいと思います。たとえペットシッターが持っている資格が動物看護師やペットシッター士、愛玩動物飼養管理士だったとしても猫の行動について詳しいわけではありません。ただし、持病などで投薬が必要であったり、厳密な体調管理が必要である場合には動物看護士などの資格があった方が良いといえるでしょう。
猫に関する資格がない場合には経験を参考にすると良いかもしれません。もちろん、長い間ペットシッターをされている方が望ましいです。しかし、気をつけたいのは経験年数が長いからといって猫の扱いを理解しているとは限らないということです。長い間猫のペットシッターをされている方において多いのは、科学的根拠に基づかない古い方法や独自の方法で猫に接してしまうということです。
また、見落としがちなのは、ペットシッターの方が猫派であることが望ましいということです。ペットシッターの中には猫よりも犬の方が好きな方がいます。そう言った方の場合は猫についての知識が浅い確率がかなり高いです。
ペットシッターの業務体制
ペットシッターの方が何人いるかを把握しておきましょう。そして、家に訪問する際に毎回同じ人が訪問するかについても確認しておきましょう。毎回同じ人が訪問する方が、猫にとっては優しいということになります。そして、もしその担当の方が体調不良や交通状況などの理由により、訪問が行えなくなった際に、バックアップを誰がしてくれるのかを聞いておきましょう。
猫は一定のスケジュールを大切にするため、訪問時間を毎日同じ時間に設定できるようなペットシッターが望ましいです。できれば毎日飼い主が餌や水を与えている時間と同じ時間に訪問をしてくれることが望ましいです。
訪問回数
1日の訪問回数は意外と重要なポイントになります。多くのペットシッターにおいては1日1回の金額を表示しており、飼い主が1日2回などをオプションとして選択する仕組みになっています。私からすると、そのような業務形態をしているペットシッターは猫のことをあまり考えていないと思ってしまいます。
なぜなら、最低でも1日2回の訪問は必須だからです。猫の様子のチェックや猫のトイレ掃除、猫の排泄物のチェック、餌・水の管理、遊ぶことなどを加味すると1日1回では不十分すぎます。1日2回の料金をデフォルトで設定しているペットシッターは金額は少し高くなるものの、猫のことを理解していると言えます。
もし近所のペットシッターが1日1回からの料金を提示している場合には、1日2回のプランを選択するようにしてください。それが猫のためになります。
ペットシッターが世話をしている動物
ペットシッターが世話をしている動物の種類を把握しておきましょう。もし、猫以外の動物も世話をしている場合には、そのニオイが猫にとってはストレスになります。やむなくそういったペットシッターに猫の世話を頼む場合には、訪問する前に服を着替えたりする配慮があるのかを確認しましょう。もし、そう言った配慮がない場合にはお願いすることにしましょう。
最近では猫専門のペットシッター、キャット・シッターなどもいるので、そういった方にお願いするのがベストかもしれません。しかし、そういった場合でも、他の猫のニオイが持ち込まれる場合があるので、その点に対する配慮がなされているのかについて確認しましょう。例えば、靴下やズボン、上着などを訪問毎に交換してくれるなどです。
ペットシッターのサービス
ペットシッターがどのようなサービスを提供しているのかを把握しておきましょう。トイレ掃除や排泄物の様子のチェック、猫の身の回りの清掃、水・餌やりなどは基本的なケアであるため、当然ペットシッターの業務に含まれていなければなりません。そして、プラスアルファとして猫と遊んだり、散歩したりしてくれるのかを確認しておきましょう。特に猫と遊ぶことは、飼い主がいなくなって退屈を感じている猫にとっては重要です。
どの程度の頻度で、どのような手段で、訪問時の猫の様子を報告してくれるのかもチェックしておきましょう。できれば毎回の訪問時の様子を動画や写真などで収め、その都度、メールやLINEなどで教えてくれる方が良いです。最近ではネットワークカメラの貸し出しなどを行ってくれるペットシッターが増えてきており、猫だけでなくペットシッターの様子なども確認できます。そういったサービスの有無を確認しておきましょう。
その他にもポストの中にたまっている新聞や広告、郵便物の受け取りを行ってくれる場合もあるので、猫以外のサービス内容もチェックしておきましょう。
緊急時の対応
猫の体調不良や自然災害などが起こった際の緊急対応がどのようになっているのかを確認しておきましょう。普通であれば、ペットシッターはかかりつけの動物病院の情報と夜間診療を行っている動物病院の情報を飼い主から聞いているはずです。もし、ペットシッターよりそのような情報を聞かれなかった場合にはペットシッターの質を疑いましょう。
また、緊急時に発生した費用をどのように請求されるのかなどについてもしっかりと確認しておきましょう。
保証・保険の有無
ペットシッターにより、家のものが壊されたり、猫の体調が損なわれた時にはペットシッターに責任を問うことができます。その際のペットシッターの対応をあらかじめ把握しておきましょう。保険による対応なのか、それとも独自の保証による対応なのかを確認し、その内容についても詳しくチェックしましょう。特にペットシッターが保険に加入しているから安心というわけではありませんからね。
まとめ
猫のペットシッターを選ぶ際のポイントを見てきましたが、ペットホテルを選ぶよりも実はペットシッターを選ぶことの方が難しいということが分かったと思います。この難しさは、ペットシッターという人間を評価しなければならないために起こってくるものだと思います。本当に質の良い、猫に優しいペットシッターを見つけるのは難しいです。
猫専門のキャットシッターだから問題ない、動物看護師の資格があるペットシッターだから問題ないというわけではありません。重要なのは、ペットシッターが猫に対してどのような接し方をするのかです。その接し方については、愛猫とペットシッターを対峙させた時にわかるものです。そしてさらに、そのペットシッターの対応の仕方を評価する飼い主側も猫に対して詳しい必要があります。
少なくとも、ペットシッターが猫と接している際に、猫が不安や恐怖などの行動を示したり、攻撃的になる場合はそのペットシッターは避けましょう。一方、猫のパーソナルな情報(猫の気質、好きなおもちゃや好きなおやつなど)について様々なことを聞いてくれるペットシッターは、個々の猫について知ろうという姿勢が現れているため、良いペットシッターのことが多いです。参考にしてみてください。
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参考文献
Pam Johnson-Bennett. Think Like a Cat: How to Raise a Well-Adjusted Cat–Not a Sour Puss. Penguin Books(2011).
Pam Johnson-Bennett. CatWise: America’s Favorite Cat Expert Answers Your Cat Behavior Questions. Penguin Books(2016).
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