大人になってくると、なかなか涙を流して泣く機会は減ってきますよね。猫ちゃんが涙を流しているところは見たことがありますか?今回は猫ちゃんの「涙」について考えてみたいと思います。
涙を流すとは?
まず一口に「涙」を流すと言っても、様々な状況が考えられます。目から涙がこぼれる時、大きく次の2種類に分けることができます。
1. 刺激性分泌
刺激性分泌は、外部からの刺激に対して反射的に流れる涙のとこです。例えば、目にゴミが入ってしまった時に、涙が出ますよね。何か異物などが目に入った場合、それを押し流そうとして涙が出るような場合がこれにあたります。
2. 情動性分泌
対して、情動性分泌は「悲しい」「感動した」など、「感情」の変化に呼応して流れる涙のことです。失恋して悲しい時などに見られる涙です。脳の扁桃体や視床下部と呼ばれるところが連携して、感情が生み出されるとされています。視床下部は感情の他にも、摂食や睡眠、生殖行動などの本能行動、そしてキーポイントなる自律神経の中枢を担っています。
感情の起伏に伴い、視床下部を通して自律神経(交感神経と副交感神経)の活動が変化することで、涙腺が刺激され涙が分泌されます。(詳しくは述べませんが、副交感神経の活動が優位になると涙が分泌されやすくなります)
猫も涙を流します・・・
もちろん猫も涙を流します。ただし、猫が涙を流しているのは「刺激性分泌」によるものです。
つまり、ホコリや汚れなどによる目の痒み、アレルギー、感染症、目の乾燥など、身体症状を改善しようとして生じていると言えます。つまり、猫ちゃんが涙を流している場合、それが軽度のものか重度のものかは分かりませんが、いずれにしろ目に何らかの不調を抱えていると思った方が良いでしょう。
悲しみでも涙を流す??
前述したように、一般的に猫が「情動性分泌」で涙を流すことはないとされています。しかし、インターネットなどでは「うちの猫ちゃんは悲しい時に涙を流す」「私が落ち込んでいると一緒に涙を流す」と言ったような書き込みなども見かけます。
少なくとも筆者はそう言った経験がないので何とも言えませんが、これは飼い主の心情が猫に投影されて、そのように見えてしまう状況が否めません。多くの科学者たちは、悲しみなどで涙を流すのは人間だけであると考えています(ABC.net)。高い社会性を有する霊長類の中でも、悲しみにより涙を流すのは人間だけであると考えられており、猫においては全くもってその可能性はないといえるでしょう(Scientific American)。
まとめ
一部の猫の飼い主は悲しいときには猫も涙を流して欲しいという願望を持っているかもしれませんが、猫が涙を流すときは、目に何らかの不調を抱えている場合です。もし、その症状が長引いたり、猫が涙をしきりに気にするようであれば、すぐに動物病院に連れて行ってあげて下さい。
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参照サイト
Do Cats Cry Tears When They Are Sad? – The Daily Cat
Do Cats Cry Emotional Tears? – Love Meow
Can Cats Cry Real Tears of Pain or Sadness? – The Spruce
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