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猫の頬から分泌されるフェロモン F1~F5

2017年8月5日

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猫の頬から分泌されるフェロモン F1~F5

猫が顔をスリスリする行動を見たことがあると思いますが、その行動の裏には強い嗅覚的な意味合いが含まれています。というのも、猫の顔の様々な部分からフェロモンと呼ばれる化学物質が分泌されており、それらのフェロモンが猫が顔をスリスリした部分に堆積していくからです。これらのフェロモンはその猫自身もしくはその他の猫の鋤鼻器(ヤコブソン器官)により受容され、猫の脳にその化学的情報を伝え、猫の行動に影響を与えたりします。

 

この記事では猫の頬から分泌されるフェロモンであるF1~F5のフェロモンについて紹介していきます。ただし、F1とF5については未だにどのような意味合いがあるのかがわかっていないため、主にF2~F4に関することを記載していきます。

 

 

目次

  • 1 猫の頬から分泌される5つのフェロモン
  • 2 F1フェロモン
  • 3 F2フェロモン
  • 4 F3フェロモン
  • 5 F4フェロモン
  • 6 F5フェロモン
  • 7 まとめ

猫の頬から分泌される5つのフェロモン

猫の体の様々な部位よりフェロモンが分泌されると考えられています。特に、顔では猫の目の上の部分の毛が薄い場所や口周辺、顎の下、頬からフェロモンが分泌されていると考えられています。そのうち猫の頬から分泌される5つのフェロモンにおいてはその詳細が特定されており、F1~F5までの名前が付けられています1)。

 

フェロモンが分泌される猫の顔の領域を青色で示している。今回の記事ではこのうち猫の頬から分泌されるものを紹介していく。

 

F1フェロモン

F1フェロモンはオレイン酸、カプロン酸、トリメチルアニン、5アミノ吉草酸、酪酸、α-メチル酪酸から構成されています1),2)。このような化学物質の構成がわかっているもののF1フェロモンの機能については現在のところ分かっていません。

 

F2フェロモン

F2フェロモンはオレイン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、ヒドロキシフェニル酢酸(p-hydroxyphenylacetic acid)から構成されています1),2)。F2フェロモンは生殖行動に関連していると考えられています。

 

発情期にあるメス猫の前でオス猫がフェイシャル・ラビングFacial Rubbing(顔をスリスリすること)を行う時に、このF2フェロモンが多く分泌されることが知られており、メス猫にアピールするために使用されると考えられています1) ,3)。こうすることで、視覚的かつ嗅覚的にメス猫にアピールすることができるようになるとされています。しかし、本当にF2フェロモンが生殖行動に関連しているのかについては証明されているわけではないため不明です。

 

F3フェロモン

F3フェロモンはオレイン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、パルミチン酸から構成されます1),2)。F3フェロモンは猫が物に対してフェイシャル・ラビングを行う時に多く分泌され、いわゆる縄張りの維持に関する情報を運んでいると考えられています1),3)。

 

つまり、猫は行動圏を見回る際などに、特に重要な部分や馴染みのあるものに対して、フェイシャル・ラビングを行い、生物学的な情報(健康状態、栄養状態、性的成熟度、生殖能力など)を含む化学的情報を堆積させていきます1)。それらの情報はその猫自身やその他の猫などにより評価され、縄張りを維持するように機能するとされています。

 

Ceva社が製造販売しているフェリウェイ・クラシックにはこのF3フェロモンを人工的に精製したものを使用しており、猫に縄張りの安心感を与えようとする原理を利用しています。

 

猫の頬から分泌されるフェロモン F1~F5
物にフェイシャル・ラビングをする猫。この時にF3フェロモンが分泌されているのかもしれない。

 

F4フェロモン

F4フェロモンは5β-コレスタン酸-3β-ol(5β-cholestan acid 3β-ol)、オレイン酸、ピメリン酸、酪酸から構成されます1),2)。F4フェロモンは仲の良い猫や動物などにフェイシャル・ラビングを行う際に分泌され、その集団における仲間の結びつきを維持・強化しているものと考えられています。

 

猫は仲の良い猫や人、動物に対して頬をなすりつける行動を行います。この時にF4フェロモンが分泌され、友好性の高い行動を促進し、攻撃性が減少させていると推測されています1),3)。さらに、その集団において個々のフェロモンをミックスさせ、グループ内で共通するにおい情報を作り出すことで、においの異なる侵入者などを排除するために行われているとも考えられています。

 

一昔前までは人工のF4フェロモンがフェリフレンドFelifriendの名前で販売されていましたが、現在では製造中止になっており手に入れることはできません。

 

F5フェロモン

F5フェロモンはパルミチン酸、イソ酪酸、5アミノ吉草酸、酪酸、α-メチル酪酸、トリメチルアニン、アゼライン酸、ヒドロキシフェニル酢酸(p-hydroxyphenylacetic acid)から構成されています1),2)。F1と同様、F5の機能については不明です。

 

まとめ

猫の頬から分泌されるF1~F5のフェロモンについて説明してきましたが、F1,F5の機能については現在のところ不明です。また、F2~F4の機能についても仮説であるため、本当にそのような意味合いがあるのかについては不明な部分が多いのが現状です。

 

フェロモンは特定の動物同士のみで情報交換が行われるため、私たち人間や猫以外の動物にとってはそのフェロモンが意味することは理解できません。しかし、フェロモンは猫の行動に影響を与えるため、その機能を理解することができれば、猫の行動や情動などを変化させることができるようになり、猫とその飼い主はその恩恵を今以上に受けることができるようになるかもしれません。

 

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参考文献

1) Bradshaw JWS, Casey RA, Brown SL. The Behaviour of the Domestic Cat, 2nd edition. CABI(2012).

2) Pageat P, Gaultier E.Current research in canine and feline pheromones. Vet. Clin. North Am. Small Anim. Pract(2003), 33: 187–211.

3) Shreve KRV, Udell MAR. Stress, security, and scent: The influence of chemical signals on the social lives of domestic cats and implications for applied settings. Applied Animal Behaviour Science (2017),  187:69–76.

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