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猫は「ニャー」という鳴き声を学習している?

2017年9月7日

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猫は「ニャー」という鳴き声を学習している?

猫の代表的な鳴き声『ニャー』は生得的なものなのでしょうか?それとも学習して身につけたものなのでしょうか?答えは両方です。『ニャー』という鳴き声を発すること自体は生得的に備わっているようですが、その質に関しては学習の影響を受けます。この記事では猫の『ニャー』という鳴き声が発達していく際に聴覚フォードバックが必要であるということを示した研究を紹介していきます。

 

目次

  • 1 耳が聞こえない猫との比較
  • 2 鳴き声の発達には聴覚フィードバックが必要
  • 3 まとめ

耳が聞こえない猫との比較

耳が聞こえない猫と正常な聴力を持つ猫の鳴き声を比較することで、猫の鳴き声が学習されているものなのかを判別することができます。1988年に行われた研究では、5匹の子猫に手術を行い、音を受容する蝸牛と呼ばれる組織を破壊し、人工的に耳が聞こえない状態を作り出し、その子猫と正常の子猫の鳴き声を比較されました1)。かなり残酷な実験手法であり、このような実験手法は断じて許されるべきではありません。倫理観が欠如していた1980年代では許されたようですが、現在ではこのような実験手法は用いられていません。

 

耳が聞こえない子猫と正常の子猫の鳴き声は生後30日、50日、1年、3年の地点で記録され、『ニャー』という鳴き声の比較が行われました。その結果、耳が聞こえない猫ではすべての時期において、正常の子猫よりも鳴き声がかなり大きくなるということがわかりました。特に生後1年の時点では正常の子猫と比較して約6倍も鳴き声が大きくなったとしています。そして、生後3年の時点では耳が聞こえない猫の鳴き声の長さが短くなることを報告しています。

 

さらに、鳴き声の周波数を解析した際には、耳が聞こえない猫の基本周波数がより高いことがわかりました。このことは、正常の子猫と耳が聞こえない子猫では明らかに鳴き方が異なることを示しており、鳴き声の発達には聴覚フィードバックが必要であることが示唆されました。

 

鳴き声の発達には聴覚フィードバックが必要

そして、2015年に行われた研究においても聴覚フィードバックの重要性が示唆されています2)。この研究では先ほどの研究とは違い、先天的に耳が聞こえない青い瞳の白猫(3匹)を対象にしており、手術により人工的に聴覚障害を作り出してはいません。また、先天的に難聴の白猫(4匹)と正常の子猫(4匹)も参加しており、3群で鳴き声の比較を行いました。生後1ヶ月、1ヶ月半、2ヶ月、3ヶ月の時点で対象の子猫を母猫から引き離し、録音ルームで『ニャー』という鳴き声を録音し、比較していきました。

 

その結果、先天的に耳が聞こえない猫では正常の猫や難聴の猫よりも鳴き声が大きくなるということがわかりました。さらに、スペクトログラムによる解析や周波数解析を行った結果、音が少し聞き取りにくい先天的難聴の猫では生後2ヶ月までは正常の子猫と鳴き声が異なりましたが、生後3ヶ月の時点では正常の子猫とほぼ同じような鳴き声になることがわかりました。一方で、音がほとんど聞こえない猫では生後3ヶ月になっても正常の子猫とは異なる鳴き声になることがわかりました。

 

上の段から順に正常の猫、耳が聞こえにくい猫、耳がほとんど聞こえない猫のスペクトログラムの図を示している。また、左から順に生後1ヶ月、1.5ヶ月、2ヶ月、3ヶ月のデータが示されており、すべての個体のデータが加算されている。縦軸が周波数(kHz)を示し、横軸が時間(秒)を示している。色の濃さは強度を示している。どのスペクトログラムにおいても観察される最も低く、長い周波数の部分が基本周波数を示している。正常の猫(1段目)や耳が聞こえにくい猫(2段目)では、3ヶ月の段階で山形だった波形が平坦になっているが、耳がほとんど聞こえない猫(3段目)では3ヶ月の段階でも山形の波形が観察される。ー Hubka et al., 2015(クリエイティブコモンズ・ライセンス)

 

1988年に行われた研究とは異なり、耳がほとんど聞こえない猫では基本周波数が低くなるということもわかりました。これは研究に参加した猫の個体差や解析に用いたデータ数などの影響を受けているものと思われます。何はともあれ、耳がほとんど聞こえない猫では正常の子猫や耳が少し聞こえる難聴の猫とは異なる鳴き方になるということがわかりました。そして、耳が聞こえない猫の鳴き声は、その他の猫とは違い、月齢とともに劇的に変わるものではありませんでした。そのため、この研究も聴覚フィードバックの必要性が正常の鳴き声の獲得には必要であることを示唆しています。

 

まとめ

猫の『ニャー』という鳴き声は生得的に備わっている部分もありますが、学習を経てより洗練された『ニャー』へと発達してくようです。そして、その鳴き声を学習する際には聴覚フィードバックが必須であり、耳が聞こえない猫では学習が困難になります。洗練された『ニャー』がどういった面でプラスに働くのは不明ですが、何かしらのメリットがあるのだと思います。

 

『ニャー』以外の鳴き声についても同様のことが言えるのかについては現在のところは不明のようです。威嚇の鳴き声に関しては個体間であまり差がないところをみると、あまり学習の影響を受けないような気もしますが、どうなのでしょうか?

 

参考文献

1) Shipley C, Buchwald JS, Carterette EC. The role of auditory feedback in the vocalizations of cats. Experimental Brain Research(1988). 69(2), pp431-438. 

2) Hubka P, Konerding W, Kral A. Auditory feedback modulates development of kitten vocalizations. Cell TIssue Res(2015). 361: pp279–294. DOI 10.1007/s00441-014-2059-6

 

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