愛猫のヒゲを集めていますか?猫のヒゲは他の被毛と異なり、太くて立派です。
人間のヒゲと同じような機能をしていると思いがちですが、全く違います。人間のヒゲなんかよりも、もっと優れています。
猫のヒゲには感覚が存在しており、ヒゲに刺激が入ると、その情報が素早く脳まで到達してその刺激を知覚するのです。このようなヒゲの感覚のことを、げっ歯類(ネズミ)の動物などを研究している研究者は、ヒゲ感覚と呼んでいます。そのまんまのネーミングですね。
このヒゲのことを感覚毛などと呼んだりすることもありますが、ここではヒゲと呼んでおきます。
猫のヒゲはどこにあるのか
猫のヒゲはどこにあるのでしょうか? 「ほっぺた」と答える人が多いと思いますが、その答えは半分ぐらいは正解です。実は、猫のヒゲはほっぺただけでなく、眉毛のあたり、顎のライン、前足の後ろのところにも存在しています。
猫のヒゲの解剖
そもそもヒゲって??
猫の立派なほっぺのヒゲは人間の髪の毛の約2倍の直径を持つといわれています。全てのヒゲはその他の被毛よりも3倍も深いところから生えており、その根の部分には神経線維が巻き付いています。この神経線維が感覚刺激をデジタルな信号に変えて、脳に情報を伝えているのです。
ヒゲは繊細
猫のヒゲは神経線維も豊富であるため、感覚に敏感であり、むやみやたらとヒゲを触られることを嫌います。神経質な猫では、ヒゲが触れてしまうお皿では食事をしないことがあります。また、太い血管なども多いため引っこ抜かれるのはとてつもなく痛いため虐待とほぼ同義と考えておいてください。
ほっぺのヒゲは左右4段存在しており、上の2段と下の2段は別々に動かすことができます。
猫のほっぺのヒゲの役割
母乳を飲む
生後間もない仔猫は視覚も聴覚も発達していません。そのため、母猫のおっぱいを探すのにヒゲと嗅覚を使用します。
ボディイメージ
ほっぺのヒゲは道の横幅を測っており、その道が通れるか通れないかを判断しているといわれています。これは、猫のヒゲの長さが猫の横幅とほぼ同じであるためです。しかしながら、最近では肥満の猫が多いため、ヒゲの長さよりも胴体の横幅の方が長いことが多いです。
探索
また、目標物との距離を測っているともいわれています。何かを探索する時に、猫のヒゲは前を向きます。そのヒゲの長さを利用して、目標物との距離を測っているのです。
ほっぺのヒゲは感情を表現できる部位でもあり、猫の感情を読み解くうえで重要です。
猫の眉毛のあたりのヒゲの役割
目の近くに物が来た時には、このヒゲが反応し、反射的に瞼を閉じるように作用します。
猫の顎と前足の後部のヒゲの役割
このヒゲは、主に捕らえた獲物の状態を知るためにあります。猫が獲物を捕らえると、獲物を咥えて、獲物の上に足を置きます。もし獲物が生きており、少しでも動いたりすると、ヒゲがそれを感知し、咥える場所を変えたり、さらに強い力で咥えようとします。こうすることで、確実に獲物を仕留めるとともに、自身に危害が加わる確率を低くしているのです。
猫のヒゲの共通した役割
暗闇で
暗闇では全てのヒゲが総動員されます。猫は視覚が発達しているので、暗闇でも全てのものが見えていると思われがちですがそうではありません。猫の視覚はあくまでも光の感度を増強するためのもので、光がない、もしくはほんの少ししかない状況ではものが見えていません。そんな時に役に立つのがヒゲなのです。
お見通しなんです!
全ての部位のヒゲを総動員することにより、自分の体の周りにあるものが手に取るようにわかるのです。そして、その周りのものを探索したり、避けたりすることで、あたかも見えているかのように振る舞うことが可能なのです。
猫のヒゲの猫種トリビア
- スフィンクスなどの無毛の猫種ではヒゲもありません。
- セルカークレックスなどの毛がカールしている猫種ではヒゲもカールしています。
- ペルシャはほっぺのヒゲを動かすことはできません。
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