香辛料としてよく使用されるナツメグですが、猫に与えても問題ないのでしょうか?実は、ナツメグには毒性があり、猫が大量にナツメグを摂取した際には中毒が引き起こされます。とはいえ、少量であれば特に何の問題もないとされています。
ナツメグ
ナツメグはよく肉や魚の臭みを消し、風味をよりよくするために人間の料理などに多用されます。一方、猫にとってナツメグは特に栄養価値がある食べ物ではなく、一般的には口にすること少ない食べ物になります。
しかし、よく料理などでナツメグを使用する家庭などでは、ナツメグの入った容器を猫の手が届く範囲においてしまうことがあります。猫は人間よりも嗅覚が効き、強い好奇心を持っているため、高い確率でナツメグ独特の匂いを嗅ぎに来ると思われます。そして、さらに興味があれば容器をひっくり返し、ナツメグを舐めてしまいます。
さらに、ナツメグはお肉料理や魚料理に使用されることが多いため、ナツメグを使用した料理を猫に与えたり、目を離した隙に猫が食べてしまうこともありえます。
ナツメグの毒性
前述したように、ナツメグを大量に摂取した際には中毒が起こり、猫の命に関わってきます。ナツメグの中には『ミリスチシン』と呼ばれる化学物質が存在しており、これが毒性を発揮します。
猫の体重1kgあたり400mg以上のナツメグを経口摂取すると、肝臓組織に変化が出ることが知られています3)。さらに大量のナツメグを猫に投与すると、精神が興奮したうちに昏睡状態になるとされています。そして、猫はどの動物よりもこのミリスチシンに敏感であるとされています3)。
猫がナツメグを摂取した後に、精神錯乱、見当識障害、心拍数の増加、高血圧、口の渇き、腹痛、けいれん発作などが観察された際には、猫に中毒が起こっている可能性があるため4)、すぐに動物病院に連れて行くようにしましょう。
猫が少量のナツメグを口にした場合には、何も症状が認められないことも多いようですが、胸焼けなどの症状を呈することもあります4)。
まとめ
猫にとってナツメグは特に栄養価値が高いものでもないため、積極的に摂取する必要はありません。ナツメグには毒性のあるミリスチシンが含まれていますが、猫がナツメグを少し舐める程度であれば問題ないようです。
しかし、ナツメグを大量に摂取すると猫の命に関わります。そのため、ナツメグは猫の手の届かないところに保管し、使用する時のみ取り出し、使い終わったらすぐさま元の保管場所に戻すようにしましょう。
参照サイト
3) SUMMARY OF DATA FOR CHEMICAL SELECTION MYRISTICIN
4) Nutmeg and Cinnamon Toxicity
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