もうすぐ4月になります。4月あたりになるとユリ(百合)の花が咲き始め、花束などで見かける機会も多くなります。ユリの花は猫にとっては危険であるため、気をつけましょう。
今一度、猫にとってユリがどれだけ危険かをおさらいしておきます。
ユリ(百合)の花
ユリの花はその種類にもよりますが、早ければ4月より開花が始まり、5月〜8月にはほとんどの種類のユリが開花します。Wikipediaによると、日本には15種のユリがあり、そのうち7種は日本特産種に当たるそうです。また、ユリの花は森林や草原、湿地に自生している事が多いそうです。
4月〜8月にかけてはお祝いごとの花束などによくユリの花が入れられます。日本では母の日などの花束に入っている可能性があります。また、少しユリの開花の季節よりかは早いですが、卒業式の花束などに含まれている可能性があります。
猫がユリの花を食べると
猫がユリの花を食べると様々な中毒症状が生じます。特に危険であり、ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)注意喚起をしているユリ属の花を以下に挙げていきます。
もし猫が以下のようなユリ属の花を食べた場合には嘔吐や唾液分泌の増加、食欲低下、無気力などが起こります。また、腎不全が起こり、おしっこの量が増えたのちにおしっこが全く出なくなるなどの症状が1~2日後に起こってきます。それと同時に脱水症状も認められるようになります。
オニユリ
オニユリは日本にも自生しているようなオレンジ色のユリになります。

アジアンティック・ハイブリット(アジアユリ)
アジアユリは、アジア原産のユリを交配させた種類のユリになります。そのベースとなるユリの代表としては、イワトユリ、マツバユリ、ヒメユリ、エゾスカシユリ、イトハユリ、オニユリなどです。こういった種類のアジアユリも日本で手に入れることができます。

テッポウユリ(白百合)
日本でも有名な白百合も猫にとってはとても危険です。自生している場合もよくありますので気を付けましょう。

スターゲイザー
あまり聞きなれないような名前の種類のユリですが、日本でも手に入れることができます。スターゲイザーはユリの中でもオリエンタル・ハイブリットの種類にあたります。

どのユリが危険?
幾つかのユリの花を例としてあげましたが、ユリの花はたくさんあります。そのため、一体どのユリが猫にとって危険なのかと不安になるかもしれません。
しかし、覚えていてほしいのは、猫にとってはユリ属に含まれるユリの花は全て危険だということです。そのため、危険かどうか不安になった時はその花の学名を調べてください。学名の最初に ” Lilium ” というユリ属を表す言葉がついている場合には猫に危険であると判断してください。なので「カサブランカ」なども猫には危険であるということになります。
ユリ属以外の危険なユリ
ユリ属以外の花で、俗称で「〜 ユリ」と呼ばれる花が幾つかあります。そして、その中にも猫にとって危険なものがあります。
ワスレグサ属
ワスレグサ属 Hemerocallis の花は別名 Day Lilyとも呼ばれ、ユリという名前がつきますが本当はユリではありません。このワスレグサ属の花を猫が食べると、ユリと同様の症状が出てきます。つまり、嘔吐や食欲低下、無気力、腎不全などが生じるということです。

スパティフィラム属
スパティフィラム属 Spathiphyllum の花は、一度は見たことのあるような特徴的な花です。英語では別名 Peace Lily と呼ばれています。
もし猫がスパティフィラムを食べてしまうと、スパティフィラムに含まれる結晶成分が猫の口や消化管を刺激するため、唾液の過剰分泌や嘔吐、下痢などを引き起こされます。ただ、ユリのように腎不全を引き起こすわけではありません。

オランダカイウ属
オランダカイウ属 Zantedeschia の花は英語で Calla Lilyと呼ばれており、園芸においてもカラーもしくはカラー・リリーと呼ばれています。
もし猫がオランダカイウ属の花を食すと、スパティフィラム属の花と同様の理由で、唾液の過剰分泌や嘔吐、下痢などが引き起こされます。腎不全は起こりません。

猫を守るには
猫にとってはユリ属、ワスレグサ属、スパティフィラム属、オランダカイウ属の花は毒になるため、受け取った花束などにそれらの花が含まれていた際には、猫が絶対に入らない部屋や猫の手の届かないところに飾っておきましょう。
猫を連れて外出したり、散歩をしたりする際にはユリの花が自生しているような場所は避けるか、もしくは猫の行動をしっかりと把握しておきましょう。
まとめ
春〜夏にかけてユリの花の開花が始まります。日本にはユリの花が多いため、本当に気をつけましょう。
もし、誤って猫がユリの花を食べてしまった時にはすぐに動物病院に連れて行き、その旨伝えましょう。すぐさま処置を行えば、命が危険にさらされるリスクが減少します。反対に、処置が遅くなれば命に危険が及びます。そのことを忘れないでください。
参照サイト
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