世界的に人気のあるYouTuber 兼、保護猫活動家の「Kitten Lady」は、動物保護施設からの連絡を受け、子猫を引き取りに行きました。当初は生後2週間の仔猫のみを引き取る予定だったのですが、その場にいた生後6週間の猫も一緒に引き取ることにしました。
実はこの猫ちゃんは後ろの脚が麻痺しており、全く使うことのできない状態であり、Kitten Ladyはそれを承知して引き取り、この猫に「Chloe」と名付けました。ちなみに、Kitten Ladyは引き取った猫が譲渡できるような状態になると、里親探しを行い、譲渡を行います。
何か治療法は?
Kitten Ladyはすぐに動物病院に連れて行き、獣医師の診断を受けたところ、後ろ足は動くことはないだろうと言われました。その他にも膀胱の機能障害など様々な深刻な障害を抱えているということがわかりました。
このように獣医師からは言われたものの、少しでも長く生きて欲しいと彼女たちはChloeを治療するための代替療法を探し始めました。そして、行き着いたのが鍼治療です。
下半身に動きが・・!!
鍼治療って効果があるの?って思ってしまうかもしれませんが、Chloeの場合には非常に驚くべき効果を発揮したようです。全く動かせなかったというChloeの下半身ですが、初回の治療が終わった日に、自分でキックをしたり、尻尾を動かしたりする様子を見せるようになりました。
鍼治療の効果
とても素晴らしいお話ですが、「こんなことってあるの?」と思う方も多いのではないでしょうか?鍼治療には効果があることは多くの経験的な知見から、広く一般的に認められていると思います。しかし、何がどのような機序で、どういったところに作用しているのかという具体的なところがまだまだ不明です。
一方で、鍼治療の効果に対してはこれまで多くの論文で発表されています1)。Choleのような脊髄損傷ではありませんが、多巣性の椎間板症により運動失調や麻痺、筋萎縮を呈していた猫が鍼治療(推拿などのその他の東洋医学も併用して)により、運動機能や感覚機能が改善したという報告もなされています2)。
鍼治療は疾病を根本的に治すとまではいかなくても、状態を好転させるという力を秘めているのかもしれません。
まとめ
東洋医学の代表格の鍼治療ですが、日本では人で言えば結構馴染みがありますよね。しかし、動物に対する鍼灸治療はあまり知られていないと思います。
世界で見ても動物への鍼治療はそれほど珍しいことではありません。人間の治療院ほど多くはありませんが、日本でも動物に対する鍼灸治療を行なっている病院はあります。(「鍼灸治療」「動物」で検索をするとすぐに出てきます)ただし、鍼治療は本当に繊細な治療ですから、安易に考えず病院選びはかなり慎重にされた方が良いでしょう。
それにしても、Chloeが今後どのように回復していくか気になりますよね。気になる方はKitten LadyのYouTubeチャンネルをチェックしてみてはいかがでしょうか?
あわせて読みたい
参照論文
1) Effectiveness of acupuncture in veterinary medicine: systematic review.
2) Choi KH, Hill SA. Acupuncture treatment for feline multifocal intervertebral disc disease. J Feline Med Surg. 2009 Aug;11(8):706-10. doi: 10.1016/j.jfms.2008.11.013. Epub 2009 Jan 31.
参照サイト
Paralyzed Kitten Receives Acupuncture and Gets Amazing Results
International Veterinary Acupuncture Society
コメントを残す