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猫にアセトアミノフェンは危険! 〜症状と中毒が起こる理由〜

2017年6月23日

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ある企業が安価の中国製のものを混ぜて販売したとして、世間を賑わせているアセトアミノフェンですが、猫にとってはとても危険な薬品になります。アセトアミノフェンは解熱鎮痛剤としてかなり多くの市販薬に含まれており、簡単に入手できるため、どの家庭の薬箱にもあると思います。そのため、猫が誤って食べてしまう確率も高くなります。

 

 

目次

  • 1 猫のアセトアミノフェン中毒
  • 2 猫のアセトアミノフェン中毒の症状
  • 3 猫のアセトアミノフェン中毒が起こる機序
  • 4 まとめ

猫のアセトアミノフェン中毒

猫の体重1kgあたり10mgのアセトアミノフェンを摂取すると猫は中毒を起こすとされています1), 2)。例えば、私の飼っている猫の体重は約3.4kgであり、単純に34mgのアセトアミノフェンを摂取してしまうと中毒が引き起こされる危険性があります。私の家にあった市販風邪薬1カプセルには約112.5mgのアセトアミノフェンが含まれており、猫が1カプセル飲んだだけで中毒が引き起こされることがわかります。

 

猫のアセトアミノフェン中毒の症状

猫がアセトアミノフェン中毒を起こすと次のような症状が、摂取後数時間で観察されるようになります1)~5)。

 

  • 抑うつ
  • 無気力
  • 早い呼吸
  • 呼吸困難
  • 歯茎の色が茶色がかかった灰色や青色になる(メトヘモグロビン血症やチアノーゼによる)
  • 嘔吐
  • メトヘモグロビン血症
  • 顔や首、手足のむくみ
  • 黄疸
  • 茶色の尿(メトヘモグロビン血症による)

 

もちろん、迅速な治療が行われない場合は死に至ってしまいます。

 

*メトヘモグロビン:赤血球の中にあるヘモグロビンのうち、正常のヘモグロビンとは鉄原子の数が異なるもので、酸素と結合する能力がないヘモグロビンを言う。このメトヘモグロビンの数が増加した場合にはメトヘモグロビン血症となり、様々な症状をきたすようになる。

 

 

猫のアセトアミノフェン中毒が起こる機序

アセトアミノフェンが猫の体内に入ると、腸管よりすぐに吸収され、急速に猫の体内に広がっていきます。アセトアミノフェンが急速に広がりを見せるのは、アセトアミノフェンが血漿タンパク質(血液中にあるタンパク質)と結合しにくいためです2)。その後、アセトアミノフェンは主に肝臓で代謝され、腎臓より体外へと出されます5)。簡単に言うと解毒されるということです。

 

肝臓におけるアセトアミノフェンの代謝は、主にグルクロン酸抱合や硫酸抱合と呼ばれる化学反応により行なわれます2),5)。この抱合は、薬物や毒物を水に溶けやすくさせ、体外に排出しやすくするための重要な過程になります。

 

しかし、アセトアミノフェンが大量にあり、その抱合の過程が追いつかなくなった場合には、異なる代謝経路(シトクロムP450経路)がアセトアミノフェンを代謝するようになります5)(アセトアミノフェンが大量になくても一部のアセトアミノフェンはこの経路にて代謝されます)。そして、その代謝経路において有毒物質である、NAPQI(N-アセチルパラベンゾキノニミン)が産生されます1),2)。

 

NAPQIはフリーラジカルであり、赤血球のヘモグロビンや肝細胞、腎細胞などを傷つけます2)。肝臓が傷つけられると、肝機能が低下し、黄疸などが出現し、最悪の場合は死に至ります。また、ヘモグロビンが傷つけられると、そのヘモグロビンはメトヘモグロビンになるため、メトヘモグロビン血症が起こってきます2)。また、酸素を運ぶヘモグロビンの量が少なくなるためチアノーゼや貧血なども出現します。

 

猫の肝臓では特にグルクロン酸抱合が起こりにくいため、その他の動物よりもすぐに異なる代謝経路が使用されてしまい、有毒物質が簡単に産生されてしまいます。そのため、猫は犬よりも中毒が起きやすいと言えます。

 

まとめ

猫は動物の中でも特にアセトアミノフェン中毒が起こりやすい動物です。猫の体重やアセトアミノフェンが含まれている量にもよりますが、ほとんどの場合はアセトアミノフェンを含む風邪薬を1カプセルでも飲んでしまうと、中毒症状が現れてしまいます。そして、最悪の場合は死に至ります。もし、猫がアセトアミノフェンを含む薬品を食べたことが確実な場合にはすぐさま動物病院に連れて行くようにしましょう。

 

誤って猫が風邪薬を食べないように、猫の手が届かないところに風邪薬を保管しておくようにしておきましょう。また、猫に熱や痛みがあるからといって、アセトアミノフェンを含む薬を与えるのも絶対にやめましょう。

 

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参考文献

1) Richardson J. Management of acetaminophen and ibuprofen toxicosis in dogs and cats. J Vet Emerg Crit Care(2000).DOI: 10.1111/j.1476-4431.2000.tb00013.x

2) Steenbergen  V. Acetaminophen and cats: A dangerous combination. Vet Technician(2003).43-45.

3) Paracetamol poisoning in catsーInternational Cat Care. 2017.06.23.accessed.

4) Acetominophen (Tylenol) Poisoning in CatsーpetMD.2017.06.23.accessed.

5) Allen AL.The diagnosis of acetaminophen toxicosis in a cat. Can Vet J (2003). 44(6): 509–510.

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