ペルシャのような顔と短足。そんな激カワな猫がミヌエット(ナポレオン)です。その容姿からわかるように、当然ミヌエットはペルシャ系統の猫(ペルシャ、エキゾチック、ヒマラヤン)とマンチカンを交配させた猫種です。歴史は浅く、1996年から交配が開始され、2011年にようやくキャットショーに参加できるまで認められるようになりました。
現在、日本でもブリーダーやペットショップでの取り扱いが増加している、注目の猫なのです。
芸能人では、指原莉乃さんが飼っています。
The International Cat Association;TICAという協会ではミヌエット、その他の協会ではナポレオン(もしくは、ナポレオンキャット)と呼ばれています。ただし、かの有名なCat Fancier’s Association;CFAなどでは登録をされていないのが現状です。
ベッドでごろごろしてたら、、
かんたろうさんは、リビングで爆睡中。 pic.twitter.com/GqsEQGxqgG— 指原 莉乃 (@345__chan) 2016年8月8日
目次
ミヌエット(ナポレオン)の特徴
意外とムキムキ
ミヌエット(ナポレオン)は短い足とペルシャやエキゾチックに似た可愛らしい顔を持つ猫です。ただ、可愛らしい見た目とは異なり、体は筋肉質でがっしりとしています。
極端な鼻ぺちゃではない
ミヌエット(ナポレオン)はマンチカンとペルシャ系統の猫(ペルシャ、エキゾチック、ヒマラヤン)を交配しているため、被毛の長さ、顔の形などは親の猫種により異なります。ただし、マンチカンの血が混ざっているため、ペルシャ系統の猫のように極端に鼻ぺちゃになることは少ないです。
理想形は?
ミヌエット(ナポレオン)はペルシャのような人形様の顔やエキゾチックのような丸い目と頭をしていることが理想です。そして、耳は中くらいかそれよりも小さいのが理想です。長毛種の場合は、ペルシャのようなダブルコートが望ましく、短毛種はエキゾチックのようなテディベア風の厚いコートが望ましいと言われています。
マンチカンと同様、短足がstandard(標準)、長足がnon-standard(非標準)という規定があります。
ミヌエット(ナポレオン)の性格
ON・OFFはっきり
ミヌエット(ナポレオン)の性格はまさしく、ペルシャとマンチカンに似ています。ペルシャのように物静かかと思えば、マンチカンのように活発に遊び始めます。
短足ではあるものの、全速力でカーブを曲がったり、高いところに登ったりと元気良く、全力で遊びます。マンチカンと同様、仲間と取っ組み合いをして遊ぶことも多いです。
遊び終わると、だら〜っと静かに横になり始め、完璧なオフモードに突入します。ここらへんはペルシャに似ていますね。
遊び好き
ミヌエット(ナポレオン)は好奇心旺盛でもあるため、新しい物などには真っ先に駆けつけ、匂いを嗅ぎ探索し始めます。
愛情深くて賢い
ミヌエット(ナポレオン)は愛情深く、忠誠心もあるため、よく飼い主の後をストーキングします。また、賢いため、しつけることが簡単であり、クリッカートレーニングなどを楽しみます。
ミヌエット(ナポレオン)の社交性
寛容
ミヌエット(ナポレオン)は子供や他の猫、動物にも寛容であり、うまくやっていけます。知らない人にでも近づいていき、探索を始めるほどです。ただし、テンションが高い人には近づきません。ただ単に怖がるだけです。
多頭飼い
ミヌエット(ナポレオン)はもちろん多頭飼いにも適しています。海外では、短足のミヌエット(ナポレオン)を購入する際に、パートナーとして長足のミヌエットを購入することを勧めるブリーダーもいるそうです。もちろん、かなり値段を割引きしてくれます。
ミヌエット(ナポレオン)のお手入れ/飼いやすさ
お手入れ
ミヌエット(ナポレオン)の長毛種には毛玉ができやすいため、毎日のブラッシングとコーミングが必要です。賢いため、クリッカートレーニングなどをおこなえば、嫌がらずにやらせてくれます。短毛種は週1〜2回のブラッシングが必要です。
遊びと鳴き声
ミヌエット(ナポレオン)は物静かな時もありますが、遊ぶことが大好きなため、わずかな時間でも良いので毎日2回は遊んであげましょう。鳴くことは少ないです。ただし、賢いため、鳴くことで要求が通った場合には頻繁に鳴くようになるので気を付けましょう。
やっぱり賢い
ミヌエット(ナポレオン)は、筆者の経験から言うと、本当に賢いため、クリッカートレーニングなどを用いれば、どんなことでも簡単に覚えてくれるので、めちゃくちゃ扱いやすいです。ちなみに、マンションで2匹の猫と飼っており、問題行動も全くありません。
ミヌエット(ナポレオン)の罹りやすい病気
今のところ健康
ミヌエット(ナポレオン)は基本的には問題なく、健康な猫です。ただし、歴史が浅いため今後罹りやすい病気が明らかになる可能性があります。
ペルシャ系統の疾患には注意
ミヌエット(ナポレオン)はペルシャ系統の血が入っているため、多発性嚢胞腎に罹る可能性があります。この病気は、腎臓に嚢胞(水がたまった袋)がたくさんできて、腎臓の働きが徐々に低下していく、遺伝性の疾患です。遺伝子検査で有無が判定できます。
ペルシャ系統の猫にあるような、鼻ぺちゃすぎるために起こるような流涙症、呼吸器疾患、角膜炎のような疾患が起こることは稀です。ただし、親猫があまりにも鼻ぺちゃすぎる場合には、そのような疾患が発症する場合もありますので気を付けましょう。
Score ミヌエット(ナポレオン)
Scoreの点数が高いほど、初心者でも飼いやすいということを示しています。
- 抜け毛:長毛種と短毛種ともに抜け毛があります。
- 鳴き声:鳴くことは少ないため、マンションでも飼うことができます。ただし、学習には気をつけましょう。
- 社交性:他の猫、動物、子供と問題なく暮らすことができます。初対面の人にでも問題なく近づきますが、テンションの高い人は苦手です。
- 運動量:運動量は普通です。遊ぶのが好きなため、毎日2回は遊んであげましょう。
- お手入れ:短毛種は週1~2回のブラッシングが必要です。長毛種は毎日のブラッシングとコーミングが必要です。
- 健康:先天性の疾患はあまりないですが、ペルシャ系統の猫に起こりやすい疾患には注意しましょう。また、歴史が浅いため、これから罹りやすい新たな病気が判明する可能性もあります。そのため、情報収集を定期的にする必要があります。
- 知能:賢いため、しつけが簡単です。
注意事項:上記のスコアは、ミヌエット(ナポレオン)という猫種自体を評価したものではありません。あくまでも「飼いやすさ」に注目して、点数化したものです。また、全てのミヌエット(ナポレオン)にこのような評価が当てはまるものではありません。個体差があることを忘れないで下さい。
ミヌエット(ナポレオン)の名前の由来と変更
もともとの名前であるナポレオン(ナポレオンキャット)は、背の低い英雄 ナポレオン・ボナパルトにちなんで付けられました(短足の猫なので)。しかしながら、ナポレオン・ボナパルトはフランス人にとっては英雄であることから、フランス人に対して失礼ではないかという意見がありました。そのため、The International Cat Association;TICAでは2015年の委員会にて、ナポレオンからミヌエットへと変更がなされました。
これに反対するブリーダーも多く、現在でも多くのブリーダーがナポレオン(ナポレオンキャット)と呼んでいます。また、他の猫協会でもナポレオン(ナポレオンキャット)という名前が使われています。

ミヌエット(ナポレオン)の歴史
1995
バセットハウンド(犬種)のブリーダーであった Joseph B. Smith(以下 Joe) は、6月12日付のThe Wall Street Journal紙に掲載されていたマンチカンの記事を読み、マンチカンに興味を持ち始めまた。そして、Joe はマンチカンについて調べ、マンチカンを誕生させる上で、どうしても長足の仔猫が生まれてくることを知りました(適切な交配を行うと半分の確率で長足が生まれる)。
この事実を知ったJoe は、長い足を持つマンチカンが、雑種と見分けがつかないことに嘆き、長足マンチカンでも純血種に見えるような猫種を誕生させようと決めました。
1996
Joe はマンチカンと交配させる相手に、純血種の代名詞とも言えるペルシャを選択しました。そして、その交配が成功し、ナポレオン(ナポレオンキャット)が誕生しました。身長が低かったナポレオンボナパルトにちなんで、ナポレオンと名付けられました。
2001
Joe はTICAに連絡し、ナポレオン(ナポレオンキャット)を Experimental Breed(実験種)として登録することに成功しました。
2002
Joe の努力の甲斐あって、ナポレオン(ナポレオンキャット)は、TICAが設けるさらなる基準を満たし、Registration Status(登録種)を獲得しました。このステータスに登録されたことにより、ナポレオンの名前が以前よりも認知されるようになり、交配プログラムへの参加が認められるようになりました。
2003-2008
Joe はナポレオン(ナポレオンキャット)をキャットショーへと出場可能な猫種として登録されるように、交配を続けていました。
TICAの主催するキャットショーには、Registration Statusの次の段階であるPreliminary New Breed以上のステータスに認められる必要があります。
そのため、Joe は交配を進めるとともに、Preliminary New Breedへの登録を、何度もTICAに交渉していました。しかしながら、ナポレオン(ナポレオンキャット)を登録する意義がなかなかTICAへと伝わらず、困難を極めました。さらに、全米の猫雑誌へナポレオン(ナポレオンキャット)を載せることにも困難を要しました。
そして、ついに Joe は諦めてしまいました。彼は飼っていた猫に避妊・去勢手術を行い、彼のキャッテリーからは、繁殖可能なナポレオン(ナポレオンキャット)はいなくなりました。
しかし、この時期までに、全米の多くのブリーダーが交配プログラムに参加しており、交配を続けていました。この時は、まだそれぞれのブリーダーがまとまることなく、各々で交配を進めていました。
2008
Sam Tate (Wonderfulkitty Cattery出身)が、Preliminary New Breedへの登録申請を試みました。しかしながら、Joeと同じく Sam も苦戦を強いられました。
2009
2月:Sam との親交があった Margie Gardner (Creators Cattery出身)は、全米のナポレオンブリーダーをまとめ、団結して挑むという作戦を考案しました。
3月:40人以上ものナポレオンブリーダーを探し、Willing and Interested Naopoleon Breedersを結成しました。
5月:TICAとの対話を円滑にするために、WINBのメンバーがTICAの委員会メンバーに参加することにしました。結果として、Margie がTICAの猫種部局の委員長に就任しました。その他にもTICA委員会のメンバーとして、 Sam や他3名のWINBのメンバーが選ばれました。
9月:アメリカ、オーランドで行われた委員会において、ナポレオン(ナポレオンキャット)をプレゼンする機会が与えられました。もちろん、この会場には Margie や Sam がいました。しかしながら、ナポレオンの特徴に一貫性がなかったことや、特徴を表す用語が正式なものではなかったこと、先天性疾患の危険性から、再び却下されました。
10月~12月:ナポレオンブリーダーのウェブフォーラムなどでナポレオン(ナポレオンキャット)の方向性についての議論が行われました。
2010
一度、認定を棄却された種は、1年間次の審議まで待つ必要があるため、2010年には登録が行えませんでした。
しかし、この間にもイメージ戦略を忘れず、ナポレオン(ナポレオンキャット)の広告を全米全土に広げていきました。中でも、アニマルプラネットが主催しているCats 101という番組に特集が組まれたことがかなり大きかったようです。この番組により、ナポレオンの知名度は一気に上がりました。
2011
1月下旬:アメリカ、テキサスで行われた委員会において、再び審議がおこなわれました。しかしながら、まだ不安要素があったため、賛成6名、反対7名、棄権1名で否決されました。
2月:度重なる棄却のために、Margieは猫種の委員長の座を退かざる得なくなりました。
9月:新たな猫種委員会の委員長にTerri Harrisが就任しました。Terri もマンチカンとナポレオン(ナポレオンキャット)のブリーダーです。Terri は彼女の人選による委員会を作り上げ、委員会に再審議の嘆願書を提出しました。その結果、条件付きでPreliminary New Breedへと昇進することになりました。
2012
5月:キャットショーへの出場が認められ、キャットショーに初めてナポレオン(ナポレオンキャット)が出場しました。この時、ナポレオン(ナポレオンキャット)の創始者である Joe も講演会を開き、誕生秘話などを語ったそうです。
2015
TICAはナポレオン(ナポレオンキャット)からMinuet ミヌエット へと名前変更が行われました。
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TICA, The Napoleon Cat, Purwaky Cattery
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