
ラムキンはカールした被毛を持つ、短足の小さな猫です。そのカールした被毛はソフトで誰もが触りたくなります。そして、極めつけは短足で小さいということです。その特徴から、Lambkin;ラムキン(子羊)という名称が付いています。
現在でも、とても珍しい猫種であるため、ペット先進国のイギリスやアメリカでさえ飼っている人が少ないのが現状です。見れるだけでも凄い猫種です。
日本にも数人ではあるもののラムキンのブリーダーが存在しているようですが、かなりの遺伝的知識などがない限り、交配や繁殖させるのは避けるべきです。もちろん、芸能人で飼っている人はいません(もし、いらしたら連絡ください。筆者が取材したいぐらいです)。
ラムキンの特徴
大きな目
ラムキンの頭は丸く、頬骨が出ており、目は大きく、両目と両耳が少し離れています。目の色にはカッパー、ブルー、グリーン、アンバーがあります。被毛は短毛種と中毛種と長毛種がおり、その色には様々なパターンがあります。
見かけによらず
ラムキンの見た目は小さいが、マンチカンと同様、筋肉質で骨格もしっかりしています。尻尾は胴体と同じぐらいの長さがあります。キンカローと同じく後ろ足が前足より長いことが多いようです。
もふもふ子羊
長毛種と短毛種とも季節、気温変化、ホルモンの変化によって、肩の後ろあたりの被毛のカールがなくなることがあるそうです。ちなみに、ラムキンは髭も眉毛もカールしています。
ラムキンの性格
寛容
ラムキンは寛容かつ活発な性格をしています。活発だといっても、他のレックス系統(セルカークレックスやデボンレックス、スフィンクスなど)よりは活発ではありません。
遊び好き
ラムキンはゆったりとしているものの、遊ぶことは大好きなため、凄い勢いで走り回ったりします。短足であるため、重心が低く、後ろ足はムキムキのため全速力で曲がり角を曲がったりすることもできます。マンチカンと同様、動くものを追いかけたり、取っ組み合いの遊びをしたりすることも大好きです。
高いところも大好きなため、どこでも登っていきます。短足であることを忘れさせるような登りっぷりを披露してくれます。
少しはかまってね
ラムキンは活発な反面、ゆったりもしているため、遊び終わると家族の横や膝の上でリラックスし始めます。また、自らの要求を家族に伝えることは少ないです。しかし、長時間の留守や無視をしていると、かまって欲しくなるようで、自らすり寄ってきます。一般のサラリーマンの勤務時間ぐらいであれば全く問題なく、お留守番ができます。
知能も高いため、ドアがどのようにして開くのかを理解するのが早いです。そのため、入ってほしくない場所の戸締りはしっかりとしましょう。
ラムキンの社交性
みんなと仲良し
ラムキンはレックス系統とマンチカンの血を受け継いでいるため、社交性はズバ抜けて高いです。人に囲まれて過ごすことが大好きなため、初対面の人とでも仲良くなれます。特定の人だけを好きになることは少なく、子供を含め家族全員のことを好きになってくれます。ファミリーペットとして、申し分のないぐらい素晴らしい猫種なのです。
犬などの他のペットとも、もちろん、仲良くなれます。
猫ちゃん初心者にも!
留守番もできて、誰とでも仲良くなれる性格上、ラムキンは初めて猫を飼う人に、最もお勧めする猫種の一種と言われています。
ラムキンのお手入れ / 飼いやすさ
ラムキンは2歳になるまでは抜け毛が多いため毎日数回のブラッシングやコーミングが必要になります。しかし、2歳を過ぎると抜け毛が少なくなります。
ブラッシングとコーミングの頻度
ラムキンは2歳以降、短毛種では1週間に1回程度のブラッシングとコーミングが必要です。ただし、短毛種でも換毛期である春と秋には毎日のブラッシングが必要です。長毛種では、毎日のブラッシングとコーミングが望ましいです。
ブラッシングのポイント
ラムキンをブラッシングするときは埃や抜け毛をとるだけで、カールしている毛を無理に伸ばそうとはしないことがコツです。また、ブラッシングが終わった後は、手ぐしで良い感じのカール具合を出してあげましょう。
入浴
お風呂に関しては、長毛種においては定期的に入る必要があります。最低限、被毛が脂っぽくなっていたり、被毛が臭い場合には体を洗ってあげましょう。
ラムキンの罹りやすい病気
今のところ健康
ラムキンは一般的には健康な猫種と言われています。ただし、歴史が浅いため、今後ラムキンが発展していく上で様々なことが明らかになっていく可能性があります。
セルカークレックスやマンチカンの病気には注意
時折セルカークレックスに認められる股関節脱臼に注意が必要です。さらに、セルカークレックスという種が発展していく際に問題となっていた、先天性の腎臓疾患や心疾患にも気をつけるひつようがあります。それらの先天性の疾患については、遺伝子検査で明らかにすることが可能です。
マンチカンが罹りやすい脊椎前弯(かなり猫背になる)や漏斗胸(胸の部分が凹む)にも注意が必要です。
Score ラムキン
Scoreの点数が高いほど、初心者でも飼いやすいということを示しています。
- 抜け毛:換毛期を除けば抜け毛は少ない方です。ただし、2歳までは抜け毛地獄です。
- 鳴き声:普通ぐらいです。
- 社交性:他の猫、動物、子供、高齢者、何とでも仲良くできます。
- 運動量:運動量は普通で、遊ぶのが好きです。そのため毎日2回は遊びましょう。
- お手入れ:換毛期を除けは短毛種は週1回、長毛種は毎日のブラッシングとコーミングが必要です。
- 健康:歴史が浅く、罹りやすい病気は判明していません。セルカークレックスやマンチカンに多い病気には気を付けましょう。
- 知能:賢い。
注意事項:上記のスコアは、ラムキンという猫種自体を評価したものではありません。あくまでも「飼いやすさ」に注目して、点数化したものです。また、全てのラムキンにこのような評価が当てはまるものではありません。個体差があることを忘れないで下さい。
2歳までは抜け毛がヤバい!
8~10ヶ月までは辛抱
ラムキンは生まれながらにして、カールしている被毛を持っていますが、生後約16週目で突然ストレートに変わります。この時、すべての被毛が抜ける個体もいます。それから8~10か月齢までの間は被毛のコンディションがあまりよくない時期が続きます。
待ってました!
しかしながら、10ヶ月を過ぎると、再びゆっくりとカールが始まります。そして、2歳になるまではそのカールが続きます。ちなみに、このカールは天候や季節、ホルモンの影響を受けます。
これが、2歳までのラムキンのお手入れが大変な理由です。
ラムキンの歴史
1991年
1991年(1987年という人もいる)、アメリカのブリーダー Terri Harris がセルカークレックスとマンチカンを交配させることでラムキンを誕生させました。ちなみに Terri Harris はキンカローの誕生やミヌエットのTICAへの登録の立役者でもあります。
Nanus Rex
当初、ラムキンはその見た目より Nanus Rex と呼ばれていました。Nanus はラテン語で非常に小さい人という意味で、 rex(王という意味)はセルカークレックスに由来しています。今でもNanus Rexと呼んでいるブリーダーもいます。しかしながら、多くのブリーダーが子羊に似ていることから ラムキン Lambkin と呼び始め、ラムキンという名前が定着しました。
レア
昔も今も、ラムキンを繁殖させることは予想以上に困難です。健康的な個体を維持しながら、短足かつカールしている被毛をもつという、この3つが揃うことは遺伝子学的に確率が低くなります。現在ではラムキンのブリーダーが増えているため、以前ほどレアではなくなりましたが、それでもまだ珍しい猫種です。
The International Cat Association; TICAには実験種としても登録されています。2008年にはCat Fancier’s Association; CFAに登録申請を行われています(認められてはいません)。
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