今回は東南アジアのボルネオ島に生息しているボルネオヤマネコについて紹介したいと思います。
ボルネオ島は東南アジアに位置し、インドネシア・マレーシア・ブルネイの3カ国の領土がある世界で3番目に大きな島です。面積は日本の国土の約1.9倍です。
ボルネオヤマネコ
このボルネオ島に生息しているのが、ボルネオヤマネコ(学名:Catopuma badia)です。ネコ科に分類されますが、遺伝子検査では通常のネコ科では見られないような非常に特徴的な遺伝子が認めらたことが報告されています。
体長は50cm前後、尻尾の長さは40cm前後、体重は2〜3kg程度とされています。
分布
ボルネオヤマネコはボルネオ島にしか生息が確認されていませんが、ボルネオ島の広範囲に渡って生息していると考えられています。
最近では島の内陸部の森林とその隣接した地域が、ボルネオヤマネコに最も適した場所であると考えられています。
一方低い山地や沼地などにはあまり生息していないと考えらており、その他のアブラヤシプランテーションなどの木のない所には生息できないとされています。
とってもレアな動物
色々と情報を書いてきましたが、実はこのボルネオヤマネコ、とてもレアな動物なのです。
1885〜1998年の間で捕獲されたボルネオヤマネコはわずか10頭程度だそうです。この時に捕獲されたボルネオヤマネコの情報は、大変貴重なものとなっています。
また、最近の録画技術と精度の向上により、これまでとらえることができなかった野生の動物たちの姿をとらえることができるようになってきましたが、ボルネオヤマネコの姿はなかなか撮影することができませんでした。
ボルネオヤマネコの撮影に成功
そんな中、つい先日ボルネオヤマネコの撮影に成功したというニュースが飛び込んできました。
研究者たちがボルネオ島のインドネシア領であるCentral Kalimantanに仕掛けたカメラに、オスのボルネオヤマネコが映っていたのです。そして、意外なことにこのエリアは、従来ではボルネオヤマネコの生息に適していない場所とされていたところだったのです。
さらなる研究の必要性
今まで予想していなかった場所でボルネオヤマネコが見つかったことは研究者たちも驚きだったようです。決して、住みやすいとは思えないような状況で、どのようにして暮らしているのかもまた疑問が生じるところです。
また、これまでボルネオヤマネコの姿を撮影できなかったのは、カメラを設置する場所がそもそも悪かったのかもしれないとも、今回の報告から考えることができるかもしれません。
これまでボルネオヤマネコの生息に不適当だと考えていた場所にも、積極的にカメラを仕掛ければもっと多くのボルネオヤマネコの姿をとらえることができるかもしれません。
今後の調査の発展に期待ですね!
絶滅危惧種
そして、みなさんがすでに予想されている通り、ボルネオヤマネコは絶滅危惧種です。保護地域以外でのボルネオヤマネコの生息地は商業開発やプランテーションなどにより、どんどん減少していっています。
現在ではボルネオヤマネコを含めた絶滅危惧種の保護のために、インドネシアの材木会社と自然保護団体が連携して森林の保全に努めています。
しかし、そのような活動も虚しく現在ボルネオ島では森林の伐採が盛んに行われており、このままこの状態が続くと、2020年までにボルネオ島の森林は現在の半分もしくは3分の1程度になると予測されています。
ボルネオヤマネコの生活はボルネオ島の森林に依存しているとも言えますから、ボルネオ島の森林の減少は死活問題と言えるでしょう。
希少なペットとして密漁の対象に
野生動物の密猟者らは、このボルネオヤマネコの希少性に目をつけており、違法に捕獲してペットとして、また剥製などとして裏マーケットに出品します。
これらの悪質な密猟者からボルネオヤマネコを守ることを目的とした法的な保護もありますが、この違法な動物の取引を取り締まるまでには至っていません。
まとめ
実は今回撮影されたボルネオヤマネコの詳細な場所は公開されていません。これも、悪質な密猟者からボルネオヤマネコを守るためです。ボルネオヤマネコの生態がこれから分かっていくのも楽しみですが、現在生息しているボルネオヤマネコを守る手立てもしっかり考える必要があります。
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参照サイト
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